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スイーツ談議。



~前回のあらすじ・・・皇太子出てきて失神寸前のフィーナ~



はっ!訳が分からなすぎてちょっと黄泉の国が見えかけていました。



皇太子を前に不敬を働いてはそれこそ本当に黄泉の国へGOです!



私は何とか残っていた理性を働かせてにこりと微笑みながら、



「お先にお名前を頂いてしまい申し訳ありません。ただいまご紹介にあずかりました、フィーナ・テレザリスと申します。この度はご尊顔を拝する機会を賜りまして大変光栄に存じます」


と最上級のカーテシーを行いました。

心の中は大騒ぎですがいつも通りの涼し気な顔に見えたと思います。そう思いたいです。


「うむ。急に呼び立ててすまない。そう固くならず気楽に構えてくれ」



そういうとトレヴァー皇太子殿下はちらっと侍女に目配せしました。


侍女さんはこくりと軽く頷くと、目を見張るような速さでテーブルいっぱいのアフタヌーンティー・セットを用意してくれました。



「ティー・タイムを楽しみながら話そう。好きにつまんでくつろいでくれ」




トレヴァー皇太子殿下は、洗練された美しい所作で紅茶を飲み始めました。


ただ紅茶を召し上がっているだけなのに何でしょうこの美しさは。



私は皇太子殿下から発せられるキラキラなオーラにあてられそうになりながらも、

心を落ち着けるために大好きないちごのケーキとチョコレート・ガナッシュを頂くことにしました。


マナーに気をつけつつ、パクッと1口頂くと・・・


「んん!こ、これは・・・とっても美味しいです!!!」



私はパァーっと気持ちが晴れていくのを感じました。



「もしやこのチョコレートは輸入が大変難しいと言われているクリオ種のものでは!?病害に弱く生産が困難で生産地ですらほとんど出回らないと聞きましたが・・・」



チョコレートの豊かで上品な風味が口いっぱいに広がります。

はぁ・・・幸せ・・・


皇太子殿下の御前であることを忘れそうになりながら私がうっとりとチョコレートを味わっていると、


ポカーンとそれを見ていた皇太子殿下とルイ様が顔を見合わせて、

ぷッと吹き出しました。



「ははは!よく分かったな!フィーナ嬢の言う通りこれはクリオ種のカカオから作ったチョコレートだ。希少で高価だと聞いて我が国の新たな特産に加えられないかと取り寄せてみたのだ」



皇太子殿下もチョコレートをパクッと口に入れました。



「というのは半分建前で、自分が食べてみたかったというのが本音だな」



皇太子殿下はニッと笑いかけて下さいました。



私は驚きました。

高貴で、美しくて、キラキラオーラで、本当なら私のような下級貴族にはお会いすることも難しいような方であるはずなのに、



目の前で笑いかけて下さった皇太子殿下は、

まるで少年のような純真さと親しみやすさを感じさせるのです。





これが、王族のパワーなのでしょうか・・・!?



少し緊張が解れた私は、皇太子殿下と近隣諸国の珍しいスイーツについてあれこれと熱く意見を交わしました。



隣に座られているルイ様は、私たちのスイーツ談議に苦笑いを浮かべながら、

サンドイッチやチーズなどのセイボリーを召し上がっているのでした。


お読み下さりありがとうございます。

いつも更新が遅くなり申し訳ありません。

繁忙期のため更新が遅くなりがちですが、完結までは頑張りたいと思います。


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