応接室にて。
子どもたちへの軽い授業を終え、私はお茶をお出しするために応接室に向かいました。
トントン
「失礼いたします」
ドアを軽くノックして部屋に入ると・・・
「・・・という訳でですね!!フィーナさんは私たちの幸運の女神!知恵の神メティスなんです!!」
エレンさんが大きな声で熱弁し、イヴさんとシスター・セシリアがうんうんと頷いています。
ルイ様は「なるほど・・・」と言いながら腕を組んで頷いています。
・・・一体これはどういう状況なのでしょう・・・。
「あっ!フィーナさん!来てたのね!」
エレンさんがこちらに気づきました。
「フィーナさん、こんにちは~」
イヴさんもおっとりと挨拶して下さいます。
「こ、こんにちは・・・おふたりとも、ここで何を・・・??」
私が引きつった笑顔で挨拶しつつ聞くと、
「それがねぇ、ルイ様に学校の仕組みとかについて話しているうちに、どうやって思いついたのか、発案は誰かっていう話になってね」
シスター・セシリアが説明して下さいました。
「あたしが先程ご一緒にいた、あのフィーナさんですよって話をしたら・・・」
「フィーナさんをご存知なんですか!?って話になってね。以前、うちの店に視察に来て下さった時に、フィーナさんのことはご存知ないと思ったものだから、とある素晴らしく、高貴な女性が発案して下さったんですって伝えてしまっていたの。」
「えぇ!?」
エレンさんが衝撃の告白をしてきました。
高貴な女性って誰ですか。というかそんな大したことはしていませんが。
「私も同じだったので~。フィーナさんをご存知なら話は別だということで、フィーナさんが私たちに与えて下さった天啓についてルイ様にお伝えしていたんです~。」
「て、天啓!?何の話ですか!?!?」
イヴさんの言葉に私は余計に混乱してしまいました。
「フィーナさんのアイディアがなければ、私たちの店は潰れる時を待つだけだったんだもの!フィーナさんは私たちにとって神が遣わした天使なのよ!!」
未だ興奮した様子のエレンさんが天を仰ぎながらおっしゃっています。
大丈夫でしょうか?何が悪いものでも食べて幻覚を見ているのでは??
「わ、私はただその時思いついたことを口にしただけで・・・そもそもおふたりの素晴らしい腕前が正当に評価されただけだと思いますけど・・・」
「ほら!聞きましたルイ様!?!?この謙虚な姿勢!これを天使と言わずなんというのでしょう!!」
だ、だめです・・・エレンさんの暴走は私には止められません・・・。
シスターに助けを求めようと振り返ると、シスターも「神に感謝を・・・!」とか言いながらお祈りのポーズをとっています。
だめだこりゃ・・・
私はルイ様に向き直ると、
「る、ルイ様、申し訳ありません。エレンさんは少々混乱しているようで・・・」
と謝罪の言葉をお伝えしました。
ルイ様は腕を組んで俯きながら、何かを考えて・・・
ガシッ!
「へ?」
「フィーナさん!!君こそ僕の探していた人材だ!!ぜひ会って欲しい人がいるんだ!!!」
「え?ええ??」
私はもう何もかも訳が分からず戸惑うのでした。




