詩お 時戻しの扉
(この世界にもう価値を感じられないから)
(私は開いていたその扉の向こうへ飛び込んだ)
この今にも いつか来る未来にも魅力を感じないから
かつての過去に戻りたいんだ
誰よりもこの世界を愛して
誰よりもかつての世界を理解していた
(さぁ 知っている事ばかりの過去へ)
扉を開いて 既知の世界へと飛び込んでいく
静かに溺れていく 無垢な愛情を向けられながら
混ざった異物 知らずに世界をかき乱して
混沌をもたらす悪 いつの間にか死神と化していた
(幸福だったはずの過去の世界が崩れ去っていく)
(私は忘れていたのだ。私という存在がすでに既知ではなくなっていた事を)
「ストーリー1」
どうか許して。
私は知らなかったの。
あの過去の世界がどれだけの、偶然と幸福の上に成り立っていたのか。
子供のようなわがままで私はそれを壊してしまった。
「ストーリー2」
かつて地獄のような世界を幸福に導いて、その対価に命を落とした者がいた。
彼はそれで、その幸せな世界がずっと続くとそう思っていたのだ。