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黄色いワンピース

作者: 鮫肌透

このワンピース、すごく気に入っていて。

大事に着てるわ。


ある時お店の前のショーウィンドウに

飾ってあったの。黄色がすごく映えていたわ。

すぐわかった、これはいいもので値段も

張るんだろうなって。

一緒に歩いていた、主人は一瞥しただけでその時は

何も言わなかったわ。


今思えば主人はその日から

休みの日は家でゴロゴロ。

夜も飲みにも行ってなかったわね。


ある時ショーウィンドウから

その服がなくなっていたの。

マネキンはまた、新しい服を着てたわ。

でも、あの服はいいものだから、すぐに売れてしまうのも納得できたのね。


忘れた頃にうちの人が似合わない紙袋をもって

帰ってきたの。

その中には、あのショーウィンドウの

黄色いワンピース。

誰かに買われないようにお店で取り置いて

買ってきてくれたんだなって、すぐにわかったわ。


ぜんぜん、照れちゃいないわよ。

だって、いつものことだもの。

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