親友
ごめんなさい、テストや模試で更新できませんでした。
コメントとかよろしくお願いします。
私は夏樹ちゃんが死んでから命日が近づくと必ずあの日の夢を見るようになった。
まるで忘れるなと言われているかのように...
「顔色悪いけど、またあの夢?」
「うん...。」
この私の前に座ってる栗色のふわりとしたくせ毛の女の子は結城美羽。唯一私が夏樹ちゃんのお守りを持っていることを知ってる子。
あのあとあまりにも落ち込んでる私を見ておかしいと思った美羽が問いただしてきたの。
「夏樹ちゃん、あのお守り持ってなかったらしいよ。とても大切なものだって言って、肌身離さず持ってたのに。ねえ、詩織、あんた夏樹ちゃんから預かってるんじゃないの?」
「...」
「詩織!あんた昔から抱え込むタイプでしょ!たまには私に弱味くらい見せなさいよ。大丈夫、誰にも言わない。それとも私が信じられない?」
「...」
「詩織、辛いのはよくわかる。私だって辛い。でも今の詩織、今にも消えそうな雰囲気で目が離せない。これ以上私も誰かを失いたくない。だから私に話してみてくれない?」
「...本当に誰にも言わないでくれる?あの二人にも?」
「当然でしょ。いつか言わないといけないときは絶対来る。でもそのタイミングを決めるのは詩織で私ではないよ。」
「美羽の予想通り私が持ってるの。もしかしたら私がこのお守りを預かったから夏樹ちゃんが死んじゃったのかもしれない。私のせいなの。私はきっと死神なの。昔からそうじゃない!私が大切に思う人ほど何か大変な目に遭うの。もういやなの、大切な人が傷つくのは!なんでなんで夏樹ちゃんだったの!死ぬべき人は他にいるじゃない!死刑囚とか!なんで、夏樹ちゃんだったの、あんないい人がなんでなんでよー...」
「詩織!大丈夫、大丈夫だから。夏樹ちゃんの事故はあんたのせいなんかじゃない。犯人が悪いの、だからそんな考え捨てなよ。死ぬべき人なんていないんだよ。それにあんたは死神なんかじゃない、天然で世間知らずでしっかりしてるくせにたまに抜けてる、ただの人間だよ。大切な人が傷つくのを見たくないならあんたが強くなりなさい。大切な人を護れるように。夏樹ちゃんだってあの日、強くなれってそんな感じのこと言いに来たんじゃない?あんたは誰よりも優しい、それは私が一番知ってる。だからそれ以上自分を傷つけて責めるのはやめな。私も詩織を守れるくらい強くなるから。だから一緒に強くなろう。」
責められると思った。
ううん、責めて欲しかった。
でも美羽は責めるんじゃなくて前に進めって背中を押してくれた。そして一緒に前を向いていこうっていってくれた。
もちろん完全に気分は晴れないし、罪悪感だって薄まらない。でも夏樹ちゃんの亡き今、あの二人を護れるようになりたい。せめてもの罪滅ぼしに。
「気分悪いなら保健室に行く?」
「大丈夫、体調が悪いわけではないから。それに保健室にいったら、あの二人大騒ぎするでしょ?」
「確かにwあの二人、もはやストーカーのレベルだもんね。」
「夏樹ちゃんが死んでから、渡しも居なくなるんじゃないかって思ってるみたい。」
「気持ちはわかるけどね。」
「うん...」
「おはよー!詩織ちゃん、美羽!」
「おはよ」
「おはよう。亜美ちゃん。」
「なになに、なに話してたの?」
「亜美にはないしょ。」
「え、ひど!ね、詩織ちゃんなに話してたの?」
「秘密(笑)」
「えー!?ま、いいや。ところでまた詩織ちゃんあの二人と登校してたでしょ。やっぱりどっちかとつきあってる?」
「え?だから付き合ってないって!」
~~~~~キーンコーンカーンコーン~~~~~
「またあとで!恥ずかしがらなくていいいからほんとのこと聞かせてよー。」
「ほんとのことなんだけど...。」
「男子と話さないあんたがずっと一緒にいるのが珍しいんでしょ。噂されるのが嫌なら彼氏でもつくったら?そこそこモテるんだし。合コンセッティングしようか?」
「作らないんじゃなくて作れないんだって知ってるでしょ。してもらわなくていい!」
「でもいつまでも怖がってばかりじゃいられないでしょ。」
「そんなのわかってる。」
「ま、気が向いたら言って。私は詩織のためには何があっても協力するつもりだから。」
「ありがと、美羽。」
わかってるわかってるんだけど。やっぱり怖いの。
少しずつ前に進む。
あの日、そう決めたんだ。