関係
ピピピッピピピッ
(またあの日の夢か…)
あれから5年が経ち、私たちは高校生になった。
あの日、夏樹ちゃんからもらったペンダントはまだ私の机の引き出しの中にある。春くんとふーくんは夏樹ちゃんのお守りを私が持っていることを知らない。もし知られたら、死んだのは私のせいと言われるかもしれないから、あの時はこれ以上何かを失いたくなくて二人に伝えることが出来なかった。
正直、すごく後ろめたい。二人に隠し事なんてしたくない。でも二人はやっと前を向き始めたから私が辛い記憶を思い出させてはいけないという理由をこじつけて、本当は私を守るために隠し続けてる。
これは私が夏樹ちゃんを殺めてしまった罰なのだから耐えないといけない。
「ドンドンドン」
ん?
「おい、まだ起きてなかったのかよ。俺たちまで遅刻するだろうが」
「まーまー、冬樹、そんなに怒ったらかわいそうでしょ。」
ん?
「って、なんであんた達勝手に人の部屋入ってきてるのよ!?私、女子なんですけど!?」
「お前が女子?笑わせるね。」
「なんですって!?」
「冬樹、いい加減にしなさい。」
「はいはい。」
多分気づいたと思うけどこの2人、あの事件前後で大分性格が変わったの。ふーくんは全く話さなくなって、無口に。口も悪くなって冷たくなってしまった。私もずっと泣いてて暗くなってしまった。ほんとはお姉ちゃんを亡くした2人を気遣わないといけなかったんだろうけどそんな余裕少しもなかった。結果春くんが私たちのバランスをとるために明るいキャラを演じるようになった。
「しーちゃん、早く着替えて下降りておいで。待っといてあげるから」
「遅れたらどうなるかわかってるよな」
なんでこうなっちゃったんだろ
夏樹ちゃんがくれた前を向く勇気、少しずつだけど私持ててるかな
(ねえ、夏樹ちゃん、見ててくれてますか?)