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君にまた逢う日まで  作者: 夜の黒猫
3/7

動き出した歯車

私と二人は同じ雨宮市に住んでたこともあって休日は一緒に遊ぶようになった。小学校に上がってからは少し男女の差を意識するようになって昔のままとは言えないけど、それでも十分仲のいい幼なじみだったと思う。

バレエスクールも同じで、通っている塾もピアノ教室も同じだった。兄妹でもないのにって思う人もいるかもしれないけど、私たちにとって家族とか他人とかの枠はなんにも関係なかった。ただ一緒の時間を過ごしていたい、共有していたいそんな思いだけだった。

大きく関係性が変わったのは、小学校高学年になってから。道徳の時間などで男女のことについて学び始めてからだった。周りの子達が私たちの関係性を訝しみ出したから。


私たちの当たり前が他人の当たり前とは違う


そんな当たり前の現実に気づいた。

そこから私は急に女子に仲間はずれにされるようになり男子からもいじめられるようになった。


「アンタみたいなブスがあの二人の横に立つなよ。身の程とかわきまえたらどう?」

ブスだったら友達でいたらダメなの…?

友達にわきまえるってなんで…?


「お前みたいなのがいるのが世の中の害なんだよ。死ねばいいのに。」

私のことが嫌いなら関わらないでよ。

無視したらいいじゃん。

なんでわざわざ関わってくるの?


そんな気持ちがずっと渦巻いてた。


そしてトドメをさしたのは







塾からの帰り道。

暗いからいつも二人と一緒に帰ってたんだけどこの日だけ二人は法事で来れなかった。

軋んでいた運命の歯車が動き出したのはここだったのかもしれない…






結論から言うと


私は男の人に襲われかけた



この時のことは怖すぎて今はもう覚えてない。

でもこの後から私は男の人と話せなくなった。

二人ともしばらく距離をおいた。二人が怖くなったからじゃない。自分がひどく汚れたものに思えたから。二人にふさわしくないから。だからしばらく会わなかった。ううん、会えなかった。

怖くて誰にも会えなくなって。バレエスクールも塾も辞めることになった。

PTSDの晩発性にかかって不眠症になって睡眠薬を処方されるようになった。

こんな醜い私を二人に見せたくなかった。




でもこれはまだ歯車の一つ目に過ぎなかった。




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