第一話 扉の先に
気が付くとアリスは暗闇にいた。壁を探そうと手を伸ばす。
「痛ッ!?」
壁は目の前にあり、勢い余って手をぶつけてしまう。手に生暖かい感触が感じられる。どうやら出血してしまったらしい。改めて壁にそっと手を伸ばす。すると、ゴツゴツした感触が感じられた。どうやら岩肌に周りを囲まれているらしい。しかし、八方塞がりでも無いようだ。空間がある頭上方向へ岩肌を登る。
「んぎゃ!?…い…痛い…」
今度は岩肌に頭をぶつけてしまう。どうやらかなり狭い空間らしい。アリスはなんとかくぐり抜け、懸命に体を動かした。
〇〇
…どれほど時間が経っただろうか。気温が低いため、手が悴んで感覚が無い。ドレスも岩肌に引っ掛ける度にビリビリと破けていき、もうボロ雑巾同然に違いない。玉のように綺麗だった肌には、尖った岩よって容赦なく切り裂かれて出来た切り傷がそこかしこにあり、全身に血が滲んでいた。
「あれは……!」
そこには一粒の光があった。
「明かり……ですわ!やっと……やっと外に出られい!?ッッッたぁ…!」
興奮のあまり、またもや天井に頭をぶつけるアリス。
「うぅ…痛い…岩が刺さりましたわ…」
蹲るアリス。頭皮が切れて流血してしまっていた。
「でも…早くお父様を…見つけないと…」
アリスは最後の力を振り絞って岩肌をよじ登る。
〇〇
「つき……まし……たわ……」
アリスはとうとう地上に辿り着いた。空は生憎の曇天である。気温は洞窟の中程では無いが、やはり寒い。着ていたドレスは原型を留めておらず、履いていた靴もどこかに落とし、ほぼ全裸に近い状況がアリスの体を更に冷やしていた。
「…何ですの?これ」
洞窟の入り口の目の前を、見慣れぬ構造物が横切っていた。
「これは……橋ですの?」
形も素材も見た事ない物だが、橋である事が推測された。その袂には、坂のような物が確認される。
「これは……道ですの?」
坂を登った先には、黒い小石が敷き詰められた、しかし確かに舗装された道があった。アリスはそっと足を踏み出す。
「痛ったッ!?」
悴んだ足に、痛みとして冷たさが刺さる。まだ土の方が暖かく感じられた。
「でも…ここから動かないと、始まりませんもの」
アリスは意を決して、寒空の下を歩き出した。
どうもdragonknightです。
しばらく出さないと言ったのにもう出していくスタイル
言ってる事とやってる事がめちゃくちゃですね。すみません(;・∀・)
√aの方はもう少しお待ちください
次回は未定です
(*´∇`)ノシ ではでは~