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もう一人の天才①

 実は、彩はすでに結果を知っていたのだ。無論、彩が呼んだ時、ヒロの心を読んでいたので、IQのテスト中だということも分かっていたのだ。日本メンサ協会から、ニューヨークのメンサ本部に『ヒロ』の問い合わせが来た時、メンサからCIAにヒロなる人物の照会がなされ、彩にも知らされたのであった。なぜなら、彩自身もメンサ会員であったからだ。テストの結果はIQ81これは、10歳レベルの知能だ。しかし、推定IQは222。おそるべし数字である。

 保証人の希望で通知書には190と記載されることも知っていた。保証人とは、かすみの事で、190という絶妙な数字は、かすみの優しさだと感じ取っていた。そして、レイが198であることも知らされていたのだ。知ってたうえで、ヒロがレイに負けたことを、からかおうと思っているのだ。しかし、それだけではなかった。

 かすみとレイがやって来た。

『あっ、彩ねえちゃんだ。こんにちは。』

『まあ、レイちゃん、今日も可愛いわね〜。』

『ヒロ君、彩さん、IQのテストの結果が来ましたよ。発表しますね。まず、レイは、、、IQ198です。』

『レイちゃん、凄いわあ。やっぱり天才ね。』

彩は心から、そう思った。

やばいぞ。198といったら、マジで天才というか、3歳なのに、凄すぎる。ああ、ここから立ち去りたい。確実に負ける。

『次にヒロ君でーす。ヒロ君のIQは、190です。』

ああ、やっぱり負けちゃった。

『ヒロ君、頑張ったね。レイから聞いたわよ。トイレに行ってて、ほとんど、教室にいなかったって。それで、190は凄いよ。あのレオナルドダビンチと同じ数字よ。』

かすみは、ヒロを勇気付けようと、教わったばかりの豆知識を教えた。

『そうだよね。ちゃんと受ければ、もっと点数取れてたはずだ。やっぱ、俺は天才だ。』

いや、おバカだ。

 彩がかすみに耳打ちした。かすみはビックリして、頷いた。彩は、かすみの許可をもらった上で、話し始めた。

『これ、見てもらえる。』

彩が指差したのは、ノートパソコンの画面だ。そこには、メンサ協会のホームページが開かれていた。彩が巧みにパソコンを操作する。すると、画面に「現在のIQ高得点者リスト」が表示されている。生存者のみに限定しているようだ。なんと6位にレイが、3位にヒロがエントリーされているではないか。さらに上位者を見ていくと、1位は北朝鮮の宗彩聖と書かれている。そのスコアはIQ270。宗彩聖?あっ、彩先生だ。

『あ、あ、彩先生。これは、、、』

『ビックリしたかしら、わたくしもメンサ会員なの。でもね、ただの会員ではなくてよ、特別会員なの。見てお分かりの通り、わたくしが現在の世界1位なのよ。』

『やっぱり、彩ねえちゃんは、すごいね。』

レイが彩の元に駆け寄った。

『ヒロ君、あなたの本当の点数は81よ。10歳レベルの知能よ。あくまでも推定222です。10歳の知能がお似合いよね。幼稚だし、お漏らししたり、エッチな本を隠していたり、プリンで喜んだり、ほんと幼稚だわ。レイちゃんにも負けて、悔しくないの?でも、この原因を作ったのはわたくし。だから、チャンスを与えにやって来たの。もう一度、真剣にテストを受けなさい。今、ここで。わたくしが審査をしますから、正式なスコアとみなされます。さあ、どうする?逃げる?戦う?』

『分かりました。今、ここで師匠である彩先生を超えます。』

『レイもやるぅ。』

えっ。師匠を超えると高らかに宣言したけれど、レイちゃんもやるとなると、話が違ってくる。再び、レイちゃんに負ける可能性が大いにある。やばいぞ。でも、やるしかない。俺は瞑想に入った。

レイちゃんが同時に行うと、守護神であるヒロに抑制がかかり、レイちゃんを抜くことが出来なくなる。彩は、ヒロの本当の力を見たいのだ。

『レイちゃん、今日持って来たのは、男の子用のテストなの。だから、彩も、かすみさんも、レイちゃんも出来ないのよ。』

『そっかあ、じゃあ、向こうで本読んでる。』

なんて、素直な子なんでしょう。彩は微笑ましくなった。

『ヒロ君、準備はいいかしら。70分の試験です。では、始め!』

テストが始まったが、ヒロは微動だにしない。瞑想に入ったままだ。かすみは不安になった。

彩は目をつぶっている。

15分ほど経ったとき、ヒロが目を開いた。大きく深呼吸を一回した。その瞬間、ヒロが動き始めた。目に見えないスピードで、問題を解きまくっている。全く止まる気配がない。考えているようには、思えない。手の残像しか見ることが出来ない。「これは、奇跡の千手観音だ」テスト開始から40分。ヒロの動きが止まった。残り30分ある。ヒロは、ゆっくりと答案を見ている。解答欄の記入ミスがないか確認してるのだ。

『彩先生、終わりました。』

残り25分のところで、テストを終了させた。

『どうやら、満足いく結果になりそうね。向こうで採点してきます。』

彩は、部屋を出て行った。



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