風呂場の刺客
底本「ガラガラァッ! さあて、今日もいっちょやるかー」。底本は風呂場に入ると、鏡に向かって様々なポーズをとり始めた。
狂郷「底本さんいつも風呂場で何やっているんですかね」。ゲラゲラ。
津島「きっと他人に知られたくないことですよ」
夜、底本は風呂へ行き、狂郷と津島は居間でゆっくりとくつろいでいた。
底本は、風呂場でボディビルダーごっこをするのを習慣化していたのである。
底本「マーチョ、マーチョ、ビバマッチョ! うん、拙者も狂郷に負けないナイスボディになってきたな!」
そして、底本はマッチョに憧れていた。
底本「さあて、そろそろ風呂に入るかー、ん?」。底本が何かに気付く。
??「のそのそ、のそのそ」
底本「こ、こいつは……」
??「のそのそ、のそのそ」
底本「ちょっと……」
??「のそのそ、のそのそ」
底本「……」
??「のそのそ、のそのそ」
底本「うわあああぁぁぁぁああ!」。底本は叫んだ。
その頃居間では。
狂郷「なんか、叫んでますね」。ゲラゲラ。
津島「発声練習でしょう」
狂郷達は全く底本の心配をしていなかった。
風呂場に戻る。
底本「やばい、これはやばい! こいつは……」
??「のそのそ」
底本「ナメクジだあああぁぁぁぁああ!」
底本は、ナメクジが大の苦手だった。
狂郷「ガラガラァッ! ナメクジが出たんですか!」。ゲラゲラしながら入ってくる。
底本「きゃあああぁぁぁぁああ! 入ってこないでえぇ!」。裏声。
狂郷「なんて声出しているんですか! 侍とは思えない」。ゲラゲラ。
津島「ナメクジが出たんですか? ここにはよく出るんですよ」。津島は平然としている。
底本「ええぇぇぇ、なんでそんな平気でいられるの……。駆除してよぉ」。底本は泣きべそをかいている。
津島「何度も何度も現れてきますから、もう慣れてしまいました。水で流して、その場をやり過ごしてください」
底本「そんなあ……。拙者は虫とかとてつもなく嫌いなんだよぉ」
狂郷「侍とは思えない!」。ゲラゲラ。