始まりの始まり
狂郷「そんなわけで、津島君に頼みたいことがあります」
津島「はい、頼みたいこととは何ですか? まあ、だいたい察しはついていますが」
狂郷「なら話が早いです。私達を居候させてください!」。頭を下げる。
底本「あわれだな、狂郷」。ゲラゲラ。
狂郷「底本さんも頭下げて頼んでくださいよ!」
津島「いや、そんなことしなくてもいいですよ。そんなところだろうと思っていましたし、もちろん構いませんよ」ゲラゲラ。
狂郷「おおー、よかったですね底本さん! 底本さんみたいな貧乏な人でも泊めてくれる人がいましたよ!」
底本「やかましいわ!」
津島「しかし、どうやって平賀さんを助けに行くんですか? 政府に拉致られた、ということは、東京の方ですよね?」
底本「とうきょう? 東の都?」
狂郷「昔の江戸のことですよ。今度地図帳買ってあげますから勉強してくださいね。さて、どうやって東京に行きましょうか。とりあえずは、ここで装備を揃えて、あとはゆっくりと東京へ向かうとしましょう」
底本「え、ゆっくりでいいの? そんなことしているうちに打ち首になってしまうのでは?」
狂郷「平賀さんは意外としぶといので、どれだけ待たせても死ぬことはないでしょうから、きっと大丈夫ですよ」
底本「確かに以前、平賀殿は『わしが死んでもバックアップはいくらでもおる!』とか意味のわからないことを言っていたから、大した問題はないだろう」
津島「やっぱり頭おかしいですね」
狂郷「それじゃあ津島君、今日から毎日お世話になるけど、よろしくね!」
底本「拙者は狂郷よりもまともな性格だから、よろしく頼む。そしてかたじけない」
こうして、二人の侍の、現代日常が始まるのであった。