スマホが壊れちゃった
津島「あれ、おっかしーなあ……」津島は困り顔でスマートフォンをいじり回していた。
狂郷「どうしたんですか津島君?」そこへ狂郷が心配して駆け寄る。
津島「いや、実はですね、スマートフォンの電源を入れてもすぐ再起動するんですよ」とスマホを見せる。
狂郷「それは妙ですねえ。ちょっと貸してください」
津島「どうぞ」津島はそう言ってスマホを狂郷の手に渡す。
狂郷「あー、確かにすぐ再起動してしまいますね……」狂郷も同じようにスマホをいじくり回しながら思い嘆く。
津島「駄目ですよね……。ところで底本さんはいったいどこへ?」
狂郷「底本さんですか? 底本さんはですね……」とトイレの方へ目を向ける。
底本「おえぇっ! 大腸が出てきそうだ……。おええぇぇぇっ!」底本はトイレで嘔吐していた。
狂郷「バレンタインの日、玄関に得体の知れないチョコがあったじゃないですか」狂郷は人差し指を立てる。
津島「あー、ありましたねえ」
狂郷「それを底本さんが見て、自分へのチョコかと思って、今朝食べたらしいんですよ」
津島「え、あんな誰が置いていったか分からないものを!」
狂郷「そしたらあのチョコ、実はチョコなんかじゃなく、ただ泥を固めただけのものだったんですよ」
津島「それであんな状態ということですか……」
狂郷「そのとーり!」
底本「初めてチョコ貰えたかと思ったのにぃ……! おえぇっ!」
津島「ところでこのスマホどうしましょう?」津島は話を戻す。
狂郷「そうですねえ、バッテリーが足りないのでは?」狂郷はそう尋ねる。
津島「いや、充電は寝ている間に行ったので、足りないということはないと思います」
狂郷「なるほど、充電不足というわけではない……。もしかしたら過充電かもしれませんね」
津島「過充電?」
狂郷「スマートフォンって、余分に充電しすぎると、正常に動作がしなくなるらしいですよ」
津島「それですぐ再起動してしまうんですか」
狂郷「たぶんね」
津島「過充電を解消するにはどうすればいいんでしょう?」
狂郷「とりあえずバッテリーを消費すればいいわけだから、電源を入れたらずっと放置でいいんじゃないですかね。そうすれば再起動サイクルで自然と放電されるはずですし」
津島「なるほど、そうしてみますね」
狂郷「しかし、少なくとも今日一日だけはスマホが使えなくなるのか。不便じゃないですか?」
津島「あまりに依存していると不便というか不安になりますよね。僕はそんなに依存なんてしていないので大丈夫ですよ」
狂郷「江戸から来た私達にとって見れば、皆がみんな揃ってスマホを見つめている光景は恐ろしいものですよ」狂郷はゲラゲラ笑った。
この後、スマホは無事に治りました。
しかし長いことそのスマホを使っていたこともあって、後日、新しいスマホに変えました。(実話)




