ドッジボール 〜対決〜
底本・弥七・黒白 VS 狂郷・津島・平賀ロボ
ドッジボール対決、開始！
底本「よし、先攻はこっちでござるな」。底本はボールを人差し指の上でくるくる回す。
狂郷「底本はけっこう肩が強いですから、気を付けてくださいね」。狂郷は味方に注意を促す。
底本「くらえっ！ まずはポンコツゥ！」。底本は平賀ロボに向かって思いっきりボールを投げつける。
ロボ「エッヘヘーッ！」。ガシーンっ！
平賀ロボは底本の投げたボールを見事受け止めた。
狂郷「おおっ！ バグっててもちゃんと機能している！」。狂郷はそう歓喜する。だが――。
ロボ「オホホー」。なぜか気の狂ったロボットは狂郷に向かってとてつもない勢いで発射した。
狂郷「え、ちょっ……。ブへーっ！」。ロボットの発射したボールは狂郷の顔面にヒットし、狂郷は大胆に吹っ飛ぶ。
底本「うわぁ……。やべぇなあれ」。底本はうろたえる。
仕切り直し。
底本「もう一度こっちからということで、次は弥七君頼んだ！」。底本は弥七にボールをパスする。
弥七「よーし、行くぞー！」。弥七はボールを上に高く上げる。
狂郷「何をする気だ！」
津島「弥七はバレー部に所属しています。あれは確実に、サーブを打ってきます！」。津島は解説する。
弥七「よいしょーっ！」。弥七は完璧なふぉーむでサーブを打つ。
津島「はい受ける！」。津島はそのサーブをレシーブして上にあげる。
狂郷「これは避けきれないなあ」。狂郷は上から落ちてくるボールを取る。
底本「くそっ！ バ○ジーガムがあれば！」。底本は地団駄を踏んだ。
狂郷「よし、ポンコツには任せてられない！ 津島君頼んだ！」。狂郷は津島にボールを渡す。
津島「それでは、小学生の頃に先祖代々のカーブと言われてきた僕の球を受けてもらいましょう」。津島はボールを持って構える。
底本「来るぞーっ！」
津島「ほっ！」。津島はサイドスローで底本の右手側に投げる。
底本「あははー！ どこに投げてんだよー……ってアラーっ？」。底本は見当はずれの球に余裕をこいて笑っていると、津島の投げたボールは底本の方へ曲り、ヒットした。
底本アウト。
弥七「何やってるんですかー、底本さんー」。弥七は文句を垂れる。
底本「すまないすまない」。底本は外野へ移動する。
弥七「仕方ないですねー。よし、それじゃあ先に、あのロボットを討っておくかー」。弥七はロボットに狙いを定める。
ロボ「コケコーっ！」
弥七「はいおしまい！」。弥七はロボットに向かってサーブを打つ。
ガッシャーンっ！ ボールがロボットに当たった。
ロボ「ウィーン。ドーンッ！」。ロボットは爆発した。
津島「やっと壊れましたね」
狂郷「そうですね」
平賀ロボアウト。
弥七「ラッキー。跳ね返ってきた」。弥七は返ってきたボールをキャッチする。
津島「もう一度サーブで来るのか？」
弥七「いいや、違うね！」。弥七はゆっくり相手コートにボールを上げる。
津島「な、何を考えているんだ！」。津島は狼狽した。
弥七「こうするんだよー！」。弥七は走り幅跳びの要領で相手コートに飛び込むと、足が地面に着く前にボールを裏拳で弾いた。
津島「これはーっ！」。バーンっ！ 津島は避けきれなかった。
津島アウト。
狂郷「おおおぉぉっ！ 今なら弥七君は丸腰だあああぁぁっ！」。狂郷はすぐに落ちたボールを拾い、弥七に当てる。
弥七「ぶへぇっ」
弥七アウト。
狂郷「残りは……」。狂郷は相手コートを見る。
黒白「ガオーッ！」
狂郷「バケモンだぁ……」。狂郷は腰を抜かしそうになる。
津島「やるっきゃないですよ！ 狂郷さん！」。津島は外野から叫んだ。
狂郷「そうだなあ！」。狂郷は平常心を取り戻して構える。
黒白「ガオーッ！」
狂郷「くらえバケモノ！ ゴリラショット！」。狂郷は技名を叫びながらボールを投げた。
底本「あれは狂郷の必殺技！ ゴリラショット！ 誰にも負けないほどのパワーにスピード！ これを黒白は止められるのか！」。底本は競馬の実況の如く喋る。
パスっ。
黒白は難なく受け止めた。
狂郷「あ、あらー……」。狂郷は目を点にする。
黒白「んにゃあっ！」。黒白はボールを投げると、それに衝撃波が生じた。
狂郷「おおおぉぉぉぉっ！」
ドォーンっ！ 狂郷はブラジルまで吹っ飛んだ。
底本「狂郷ぅぅぅっ！」
そして、狂郷はクリスマスをブラジルで過ごしたとさ。
