ドッジボール 〜出場者紹介〜
底本「突然だが、ドッジボールを行うでござる」。鉢巻を巻いた底本がバレーボールを脇に挟めて宣言する。
狂郷「……え、これまた急にどうしたんですか?」。狂郷は当惑したように尋ねる。
底本「なんだかな、ふと避けることに興奮を覚えてしまったのでござるよ」。腕を組んでなぜかうんうんと頷く。
狂郷「いや、言っている意味がよく分からないんですが」。ゲラゲラ。
底本「とにかくだ! 今回はもう既にメンバーを集めているんだ!」。底本はガッツポーズを取る。
狂郷「おっ、いいですねえ」。適当に返事をした。
底本「よし来い! 津島君、弥七君、平賀ロボ、黒白!」。底本はバッと腕を広げた。
津島「気は進まないですが……」
弥七「よーし、勝つぞー!」
ロボ「パラッパラッパー」
黒白「みゃー」
出場者はそれらのセリフを吐いて登場してきた。
狂郷「これ大丈夫なのか!」。狂郷はメンバーに心配する。
底本「へーきへーき。たぶん。ただ一つ気になることがあるんだ……」。顎に手を当てて困った風な態度を取る。
狂郷「何ですか?」
底本「君はいったい誰か、ということなのだが?」。底本は弥七に向けて尋ねた。
弥七「俺は津島の架空の友だちだよー」。弥七は陽気に応える。
狂郷「知らないで連れてきたのかよ! てか架空の友だちって何だ!」。狂郷は同時に二つのツッコミを行う。
津島「さすがに僕にも友だちがいないとおかしいかなーっと思って、勝手に作り出してしまった友だち、という設定の登場人物、ってことですよ」。津島はそう解説する。
狂郷「んー、ややこしい! もっと簡潔に……」。酷く困惑する。
底本「要は津島君が寂しくて作った、いないはずの友だち、ってことでござるよ」。平然とまとめる。
狂郷「そして、あのロボット!」
ロボ「ぺっぺっぺー」。平賀ロボットは奇怪な動きをしている。
狂郷「あれ絶対バグってるぞ!」
底本「あれは仕様でござるよ」。平然と返す。
狂郷「なわけないだろ! それとなー……」
黒白「みゃお」。黒と白色の猫は鳴く。
狂郷「猫がドッジボールできるわけがないだろ! 動物愛護団体が黙ってないわ!」。黒白の猫を指さして指摘する。
黒白「ぶにっ」。猫は怒った。
すると猫みるみるうちに大きくなっていき――。
黒白「ガオーッ!」。めちゃくちゃムキムキになった。
狂郷「うわっ! なんか今作のポ○モンのガオ○エンみたいになった!」。狂郷は驚愕する。
底本「どうやら猫はストレスのあまり擬人化してしまったようだな」
狂郷「おいあれバケモンだぞ!」
*
底本「まあ、そういうことで、次回はドッジボールを行うでござるよ」
狂郷「こんなんでまともな勝負できるんですかねえ……」
底本「それでは次回まで……おさらば!」