旅行で誰もが経験すること
津島「ただいま帰りましたー、ってあれ? 底本さん? 狂郷さん?」
修学旅行から帰宅した津島は、家の玄関のドアを開けるや否や、底本と狂郷が家にいないことに気付く。
津島「二人ともいないだなんて、いったいどこで何をしているんでしょうかねえ」。リビングに移動して腰を下ろす。
底本「ただいまでござるー。あ、津島君も帰ってきているぞ、狂郷どん」
狂郷「お、本当ですか? おかえりでごわすー」
底本と狂郷が帰ってくる。
底本「修学旅行はどうだったでござるか、津島君?」。リビングに来て津島に尋ねる。
津島「ええ、とても楽しかったですよ」
底本「そりゃ良かった。拙者達も楽しい旅行をしてきたでござるよ」
津島「え、旅行?」
狂郷「実はですね、私達も津島君が修学旅行に行っている間、同じところに旅行していたんですよ」
津島「えぇっ! そうなんですか?」
底本「そのとーり! まあ、ちょっとしたトラブルもあったのだがな」
狂郷「ああ、あれは本当に驚きましたね」
津島「何があったんですか?」
底本「それはなあ--」
*
ホテルでの出来事。
底本「あー、喉渇いたでござるー。どこかに飲み物はないんでござるか?」
狂郷「確かエレベーターの近くに自動販売機があったような気がしますよ」
底本「よし、そこへ行こう! 狂郷も行くでござるか?」
狂郷「ええ、行きましょう」
底本と狂郷はお金だけを持って部屋を出る。
そして二人は普通に飲み物を購入して部屋に戻ろうとする、が――。
底本「あれ、おかしいな。ドアが開かないでござる」
狂郷「え、どうしてですか?」
底本「押しても引いても、横にスライドさせようとしてもビクともしないぞ」
狂郷「あっ……」
底本「これってもしかして……」
二人「オートロックだーっ!」
*
底本「ということがあったんでござるよ」
狂郷「すぐにスタッフさんに来てもらい、開けていただいたんですがね」
底本「津島君は修学旅行中そんなことなかったよな?」
津島「ありました」
底狂「えぇっ!」




