その5、宴の始まり
とりあえず作中に出てくるキャラのプロフィール2を書きます
(プロフィール1は第四部にあります)
雨水
年齢18歳
霞ヶ淵神社の巫女
術長のである霞の曾孫
髪の色 長髪で青紫色で前髪パッツン 頭にアジサイの髪飾りをしている
性格 おしとやかでお姉さん気質でも怒ると恐い?
趣味 神社の境内、内部の掃除
身長 160センチ
スリーサイズ B89(Fカップ)W63H85
身体能力 3 (10評価中)
学力 7 (10評価中)
術力 8 (10評価中)
霞
年齢100歳以上(見た目は20代後半)
霞ヶ淵村神社の当主兼術長
髪の色 長髪で青紫色 くせ毛が特徴
性格 冷静だが酒が入ると周りが見えなくなる
趣味 酒、博打など
身長 167センチ
スリーサイズ B105(Jカップ)W61H90
身体能力1 (10評価中)
学力 測定不能
術力 老いのために3 (霞ヶ淵村にいる状態では測定不能)
武神の能力 術を極めているので必要なし
雨水さんが、部屋から出て数分が立ち暇で何もやることがない。もしやることがあるとしたら雨水さんの手料理をかんしょくできるように身体を動かすしか方法しかないのだが生憎俺は、病み上がりでやりたくない。仮に病み上がりじゃなくても運動したくないなぜならその程度の目的で身体を動かすほど軽い男ではない。
「・・・少し寝るか」
時計を見て横になる。横になると思ったほど寝てしまいそうになる。
こうして俺は、しばらくの就寝をとった。
「焔く~~ん食事の用意ができたよーーーー」
雨水さんの声で目が覚める。
「なんだもう六時か」
時計を見る時間は六時十分前だ。
彼女の表情は、さっきまで俺と共に泣きじゃくっていたときと違いいつもの優し気な顔に戻っていた。俺は、すぐに立ち上がり準備をする。そして俺は、彼女に凛音がここに帰ったかどうか聞かないと、
「さあ行くわよ」
「あの凛音は、帰りましたか?」
「心配しないでもう凛音ちゃんは帰って来てるわよ」
「そうかよかった。」
その言葉を聞いて嬉しかった。雨水さんに励まされ俺も凛音の役に少しでも立ちたいそのことを早くあいつに伝えたい俺はそう思った。
俺達は、廊下を歩き食事会場まで歩く。痛みなどはないが少しだるく感じたそして腹の調子はつい二時間ほどまでにおにぎり弁当を食べたのを関わらず少しだけおなかが空いている。
「あの改めてありがとう。なんか夕食までごちそうまでなって。」
廊下を歩きながら俺は雨水さんに話しかける。
「別にいいわよ。客人が来たら遠慮なく迎えるのがここのしきたりだから。
この村は、のどかだけど他所からは、妖使いの大罪人の村や祟りの村とも呼ばわれていて、中々この村に立ち寄る人は、あまりいないの。でもその悪い噂は、ほんの一部の人が言っているだけ、少ないけど術長目当てに病気を治したり悩みを相談する人もいるのよ」
なんだよそれこの村もひどい目にあってんだな。
「なんでこの村は、そんなふうに呼ばれているんですか?可哀想過ぎるでしょ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺の質問に口を堅く閉ざす雨水さんどうやら相当深刻なことになってんだな
「そ、それよりもうすぐ食事会場である大広間に付くわよ。暗い話をしたらごはんがおいしくなくなるわよ」
さっきまでの話を逸らす彼女。いや暗い話に入ったのは、あんたが持ちかけただけだよ。
テヘッ♡
雨水さんが片目を閉じ舌だして、いかにもテヘペロポーズをしている。いや俺怒ってんぞ。もし男だったら顔面右ストレート入れるぞ。
「コホンッそれよりもうついたわよ。ここが大広間。普段は修行僧の修練場として使われているわ」
ここがか。大広間にはすでに百人以上が入っている。そいつら全員霞さんの弟子の修行僧と巫女さんか。
そして、膳が縦五列ほど並んでおりその先の大きな酒桶に挟まれて他とは比べ物にならないいかにも高級そうな膳と座布団が置かれているのが霞さんの席なのか~~~~~
なんかいかにも宴会が始まる感じだ。
「あの毎日こんなお祭り騒ぎな夕食なんですか?」
「いえ、あなたを迎えるだけで普段はあそこまで派手ではないよ。では、私行くね。凛音ちゃんは、この先の左奥ほどにいるから、じゃあね」
そう言って雨水さんが、凛音がいる方向を指さした後、手を振って別れる。俺は、彼女が指した方向に向かう。すでに何人か席に座っている、そして、膳の上にはおいしそうな海鮮料理が置かれている。旨そうだな。しかし客人が来るたびにこんな宴会して、金のほうは大丈夫かいつか底がつくぞ。
「焔殿~~~~~こちらでござるよ~~~~」
凛音の声が聞こえたと同時に彼女を見つけた。そして、彼女は、隣の席の座布団を乱暴に叩きながら手を振っている。どうやらここが俺が座る席のようだ。
彼女の外見の衣類は俺でも分かるように土煙でボロボロになっていた。衣類だけではなく、綺麗な肌が数か所傷ができていた。どうやら相当苦労したようだ。
凛音の表情は、その痛いげな外見と裏腹にいつもの元気な顔を見せてくれる。
「よう、凛音あのさ・・・・」
せっかく彼女に会えたのになかなか言葉に言えない。
「どうしたでござるか?そんなとこで突っ立ってないで今から楽しい食事が始まるでござるよ」
「そうだな・・・・・」
そうだ、話すのはいつでもできる。今は、この余興を楽しもう。俺は、座布団をあぐらをかいて座る。
「よっと隣すわっていいいか?」
「ああいいけど、ってあんた雲良」
俺の隣を強引に座ったのは、あの額に二つ黒子がある坊主の雲良であった。しかも右手に紫色の弁当箱らしき物を持っている。
「雲良その右手に持っている物はなんだ?」
「ああこれか、これは、土産に妹の分も持って帰るんだよ。うち貧乏だからよ少しでも持って帰って妹を喜ばせたい」
妹?そういえば剛毅達が赤覆狒々討伐の前に雲良と雲火が晩飯について話したことで出てたっけ
「そう言えば雲良には、妹がいたでござるな~~~」
「そうよ。それが可愛くて可愛くて嫁に出したくないくらいの可愛さよ」
雲良が重度のシスコン発言をしている。おーーい赤覆狒々戦のシリアス解説野郎はどこに消えた。
赤覆狒々と言えば剛毅のことについてこいつにもに謝らないと、なんか自分の無能さが逆に腹が立つ。
そして、悔しく両手を強く握る。
「・・・・・・焔殿?」
「どうやら宴が始まったぜ」
雲良の言葉で我に戻る。
周りが暗くなる。暗くなった後に俺たちは中央の霞さんの座席に注目した。
「今宵も客人に向けての宴を始める。」
この声は霞さん、マイクなしでここまで声が聞こえるなんてすごい声量だ。
おいおい仮にもここ神社だぞ。ゲロがダメでこういう忘年会並の宴はいいのかよ。大量に酒用意してるしよ。ここにいる全員がゲロしないで無事に終わるのかよ。ここの数人消えるぞ。
俺は、飲まないぞ。未成年だからが原因じゃない。俺にはなんか分かるんだ。この人酒飲んだら絶対酔っぱらうタイプだ。そんでもって、俺らに無理やり酒を飲ますつもりだ。
もし俺に酒を飲ましてみろよ、一度目は未遂に終わったがこの異世界に来て二度目のゲロを吐くことになる。見たことないぞ。異世界に来て何度もゲロを吐く主人公なんて。
「今日の客人は向こうにいる焔と凛音だそしてこの焔と言う少年はなんと別の世界から来た少年だ。皆存分に祝え」
パチパチパチパチパチパチパチパチ
霞さんがこちらに手を向けて注目させている。それと同時に他の奴らが拍手で迎えている。
「えーーーーあいつが別に来た奴って」
「どうやらホントだったな」
「なんか嘘くさいな~~」
ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ
ヒソヒソ話がこちらにも聞こえる。
この人あっさり俺の事大勢の前でカミングアウトしているし
一方凛音も俺と同じ照れている。当たり前だこんなに恥かかせて。
「ふむどうやら皆の膳に食事と酒が来たようだな。乾杯の前に一つ言っておく未成年者手を挙げろ。今日限りだ。今日限り酒を含むことを許す」
ええええええええええええええええええええええええええええ!!!
今ここの責任者から衝撃的なセリフを聞いた。
あんたそれでも、神職を務める者か。あんた絶対に神から裁きが来るぞ。
「よっしやー俺19だけど今ここで飲んでいいのか?20に飲まなくていいのか。ありがとう術長。俺前から術長のこと愛してたぜ」
隣にいた雲良がポツリと今の本音が聞こえた。つーかお前19歳だったの?
ていうかこの世界も飲酒は二十歳になってからなの?
「おっほん今のことは、術長様の戯言なので皆さん聞き漏らしてください~~もし未成年がお酒飲んだら罰が当たりますよ~と・く・に!!」チラッ
雨水さんが今の霞さんの言葉をなかったことにさせる。そして、俺ら未成年三人組に向かってギラリと睨んでいる。今の雨水さんの顔恐ろしかった。俺だけではなく雲良も凛音もビビっている。まるで一瞬後ろに般若が見えた。
「なんだ雨水別にいいではないか。今日はめでたい日ではないか」
「術長。さすがに言いすぎです。いくら焔君が気に入っているからって言っていいことと悪いことがあります」
「別にいいではないか。それにお主も酒を飲め酔った勢いで焔を襲え。別にガキが出来ても構わん。儂は早く日曾孫がみたい。」
「なっ!」
霞さんが公の場にも関わらずとんでもないことを言った。なんか俺あまり関係ないよね。
プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルと赤く照れる雨水さんそして・・・・
「術長オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオいい加減にして下さい!!!!!!」
今までにない激怒が会場に爆発させる雨水さん、まるで爆発が起こったくらいの衝撃だった。
そして霞さんに向かって構える彼女
これには、霞さんも少しビビる
「ただでさえ金欠なのにそれに加えてこの神聖な場所で平気に破廉恥なことを言うなんて・・・・今日という今日は許しません」
「雨水悪かった。術をかけるなら酒を飲んだ後に・・・・・」
「問答無用!!!」
その時雨水さんから無数の光の紐のようなものが出てきて霞さんの周りを囲むそして・・・・
「反転空界・・・・・・・・」
小さな爆発が起き霞さんの皮膚からはなにかがはがれているような感じが離れた俺達にもわかる。
まるで、メッキが剥がれた自動車のようだ。
そして霞さんからは先ほどまでの覇気はなかった。
「雨水貴様!!」
「しばらく寝ててください。」
雨水さんが静かに術を静かに唱えると霞さんが深い眠りに入りその場で倒れてしまった。
そして気が付くと、雨水さんの表情はさっきの雰囲気が嘘のように戻った。
「申し訳ないけど術長様を別室に連れて下さい」
その場にいた坊さん二人が雨水さんの指示を受け倒れた霞さんを奥の別室に抱えて連れ込んだ。まさかあの優し気な雨水さんがあんな姿を見せるなんてな。
「今のはなんだ?」
俺は咄嗟に声を出した」
「今のは、雨水さんの奥の手『反転空海』ここではそんなに珍しくないけどな」
雲良の説明にうんうんと首を頷く凛音。
「反転空海?」
「まあ軽く説明するとこの土地は術長様の領域でその土地の養分を吸って暮らしている。術長様が御年百年超えてその体型を維持できるのがそれが理由だ」
「なるほど」
「そして、雨水さんが今出したあれは一時的に術長の領域の権利を奪い取るのが今の術だ。まああの術を使えるのは代々術長の一族に教われており、俺らにはそれを教えてくれないんだよなぁ」
「てっことは、あの術は霞さんが直接教えた術なのか?自分の子孫とは言えなんで弱点を教えるんだよ」
「そんなことも知らないでござるか?」
凛音が呆れた顔をして俺に言う
「霞さんは、その昔平和の都を殲滅仕掛けた大罪人。その負の人格を抑える抑止力となる術を子孫に残したでござる」
え?大罪人霞さんが、だから先ほど雨水さんがこの村のことを祟りの村って言ったのはこのことだったのか。その時雲良は、凛音に向かって首を横に振り続いているそれを見た凛音は
「しまった。余計なことをいってしまたでござるな。それより乾杯の準備が始まるでござるよ。こんな暗い話は宴には似合わないでござる」
雲良の顔を見て話を咄嗟にかえる。いったいどうなってんだ。この村は?
「皆さんお待たせしました。いろいろ脱線しましたが、今から乾杯をします。皆さま膳の上に食事が乗ってますか?」
話は戻り霞さんの代わりに雨水さんが口上を始める。うん俺の膳の上に今夜の夕食である赤刺身の定食はあるな。見るだけで腹の虫がなりそうだ。
そして俺達未成年者には酒の代わりに麦茶が注がれている。
「みなさ~~~~~んいいですか?」
皆が一斉に湯呑や酒器を手に持ち上げる。
「せーーーーーーのかんぱ~~~~~~~い」
器どうしが叩く音がし夕食が始まった。