その2、赤覆狒々(せきふくひひ)
俺は、今から死ぬかも知れない目の前の化物を見て思った。その化物は、まるで食事を待っているかのようなおあずけされた犬が座っている格好をしていた。
赤覆狒々・・・・・・見た目は、猿の姿をした化物で、大きさは、7、8メートルに及ぶ大きさだ。
牙が鋭く、腕は、とても太く、大木以上な腕をしている。爪は、あまり鋭くないが、やはり、注意すべきは、あの腕だ、あれに殺られたら一貫の終わりだ。足は、あの豪腕な腕に比べたら、対したことないが、それでも、攻撃を受けたらやばい。
その化物は、赤い何かを纏いながら不気味に光る紅い眼光を見て戦慄した。俺は、死ぬのだと。
おいその感覚古井戸に落ちてからのと同じだぞ。
金縛りにあうからの絶望そして死ぬ覚悟とか、一日に二度目だぞ。
まさか三度めはないよな。二度あることは、三度あるというけどまさかな
もしかして、この二度目がこの俺の最後かも。
俺は、この状況を考えずに、叫びながら、全速力で逃げた。
「アアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァこ、こんなところでしっしっ死んでたまるかアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
俺は、泣きながらなにも考えずに全速力で逃げるしかなかった。
ていうか、それしか脳内の選択肢がそれしかなかった。
俺は、この瞬間今までの人生の中で生きたいと感じた。
今まで自分の命を軽視していた。自分は、人を平気で見下したり、馬鹿にし、軽蔑するクズだ。
俺がクズに染まったのは、幼なじみが疎遠になったのと、自分より下な人間と仲良くなることだ。
俺は、あのとき思った。「笹川焔」は詰んでいるのだと。
そして、自分の人生この先つまらないから、早く生まれ変わって人生をやり直したいと、あの時強く思った。
だけどそれは、違う、違うんだよ!
人の命を軽く見るのは。重いんだよ。この小さな命は。
なんだよ、結局俺がクズに染まったのは、自業自得じゃねえか。
とにかく俺は、生きたい、生きたい、生きたい、生きたい、生きたいと心に強く念じた。
絶対生きて、元の世界に帰って、新しい自分と向き合いたいそう想いながら、全力で逃げた。
息がきれる、心臓が張り裂けそうだ。
それでも、逃げる、久々の全速疾走で、足がつりそうな感じがしても、動かす。
空が、今の光景と、雰囲気が違う清々とした晴れ空だった。
くそ、腹が立つ。
その時、また、体が、金縛りにあったかのように動かなかった。
しかも、逃げる最中だったので体制が崩れて、派手に転んでしまった。全身が土まみれだ。
どうやらその化け物が、放出している赤い何かだった。それに触れるとああやって金縛りにあったり、人を物理的に引き寄せることができるのか。
気が付くと目の前にはその化け物が不気味な笑みで俺の方にゆっくり、ゆっくりと向かっていた。
「グヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ、ハッハッハッ」
その叫びは、獲物を食べる歓喜の叫びだった。
よだれが滝のように流れている。ディナータイムは、どうやら始まったようだ。
そして、その大木のような太腕が俺を掴み出した。
やばい、無理に動けねえ。抵抗したらその腕が俺を握り潰すかも知れないと、俺の野生の感がそう想った。
そして大きな口が開いた。俺は、その口を門を扉をイメージした。
その扉を潜ると永遠に帰らない。一生奴の血と肉の一部になるのではないかと、恐怖した。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないイヤダイヤダイヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ
・・・・・・俺はまだ死にたくないんだよ・・・・・・・・・・・
俺が奴に食べられる瞬間、激しい轟音が、俺の脳内が響いた。
気が付くと、俺は地面に倒れていた。
そしてあの化け物、赤覆狒々は、後ずさりをしている。そして目の前には、自分より長い大きな金棒を構えた、あの、左肩に桜の刺青が掘っている山賊もどきの大男だった。
「あ、あんたは、・・・・・」
そう呟くと、
「なんだぁ、せっかく標的を狩ろうと思ったらとんでもねえじゃじゃ馬が紛れ混んでるじゃあねえか」
そして、涼しい声で、俺にこう言った。
「大丈夫か?坊主」
『兄貴~~~~~~~~~~~~~』
「遅ええぞ。先に着いたじゃねえか」
「兄貴が早すぎるんですぜ」
気が付くと、後ろからあの男、剛毅の部下が、走ってこちらに向かってきた。
「あれが、・・赤覆狒々すげえ初めて見る」
「で、兄貴そのガキはなんです?」
その額に黒子が二つ付いてるスキンヘッドが俺に話しかけてきた。
「さあな、食われそうになったのを俺が助けた」
「すげえ兄貴が人助け。こりゃ大雨か、雹はたまた槍がふりますぜ」
ちっ相変わらずうぜえよ語尾に「ですぜ」を付けるハゲ おめえだよ額に、横線傷があるハゲ。
「やかましいぞ。それより奴さんが、お待ちだぞ」
赤覆狒々は、こちらに向かって攻撃体勢を構えている。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
そして、俺らに攻撃する瞬間。
「馬鹿が、まだ指示を出してねえよ。大人しく待っとけ」
巨大な壁のようなものが。赤覆狒々を囲いその、攻撃を防ぐ。
すげえええあのヤクザすっかり頼れる兄貴ポジじゃん。
俺男だが、惚れちゃいそう。
と、剛毅が俺を見て、
「惚れんなよ」
と、若干引きそうな顔で言った。俺をゲイ扱いするんじゃねえよ。
「惚れてねええよ。テレパシー使いか。おっさん」
怖えよなんで、俺の思ったことが分かるんだよ。
「てれ?なんだそれ?それより、俺は、まだおっさんじゃねえ。まだ21だ!!!!!!!」
と、めっちゃキレられた。いやそれより、
ええええええええええええええ21ィあの顔でえ、42の間違いだろ。
「雲良この結界どれくらい持つ?」
「はい、一分弱が限界です」
今度は、黒子二つのスキンヘッドが手を両手に構えてそう言った。
どうやらあいつの武器は、腰に下げてる刀の他に、術を使う出しい。
え、あの結界あのおっさんが、出してるんじゃないの?それでも、カッコいいけど。
てか、魔術を使う奴は、どこの異世界でもチートだな。
あんな脇役顔が、あの化け物に、一分も攻撃を耐えるとか。
「一分?・・・・十分だ」
「おめえら、指示をだす。まず、俺と雲火が前線に出る。雲火背中を任せたぞ」
「はい、兄貴!!!!!」
あの横線ハゲが元気よく返事した。
「次に雲良お前は、結界を張りつつ、仲間の補助だ」
「はい、兄貴」
兄貴の方のハゲは、弟よりテンションが低い。まあ、この方がいいか。
「後のやつらは、俺と雲火の援護しながら、雲良に視覚が入らないよう、注意をかけろ」
バキッバキッバキッバキッ
結界がヒビが入り、結界が壊れそうになる。
「おい坊主逃げれるか。ここは、もうすぐ死地になる。さっさと逃げた方がいいぜ。
「逃げたくても、腰が抜けて力が入らねえ」
なんで、動かねえんだよ。おい、立てよ。せっかく逃げるチャンスを与えてくれたのに」
「まあ、しょうがねえか。死にかけたんだ。逆に素直に動けるのが、おかしい」
剛毅は、ケラケラ笑いながらそう言った。
「雲良仕事の次いでだが、この坊主を守れ」
雲良は、軽く頷いた。
あと数秒もしたら、戦闘になる。だけど、どうしてもあのチンピラに言いたいことがある。
「おい、あんた、俺は、坊主じゃない、笹川焔と言う名前がある。その呼ばれ方腹が立つ」
「ああ、そうか、じゃあゆっくり休め・・・焔」
あいつ、見た目とは裏腹にとても頼りになる男でこの絶望的な状況を回避できるんじゃねえのか。
俺がもし女だったら惚れるね。いや俺本当にホモじゃないよ。
例え話だよ。
この直後結界が割れ俺らに向かう赤覆狒々。
「雲良オオオオオオオ、今すぐ対妖力結界を、俺らに張れ、後は、俺らが、それを補強する」
『はい、兄貴』
雲良の結界で剛毅達は、紫色のオーラ見たいのを纏った。
そして、あの化け物に向けて突っ込んだ。
「行きますぜ。剛毅の兄貴」
「馬鹿の癖に仕切ってんじゃねえよ。ま、いっか行くぜエエエエエエエエテメエラアアアアアアアアアアアアアア」
こうして、戦いが始まった。
まず、剛毅の部下が赤覆狒々の注意を引いて、気をそらしている隙に巨大な金棒の一撃が、赤覆狒々の右腕を攻撃し、その直後、雲火の巨大な斧がまた、赤覆狒々の右腕を攻撃する。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ喰らえええ化け物ォォォォォ」
吠える雲火。 つか叫べねええと攻撃できねえのかあいつは、」
「ふ、騒がしいだろ?うちの弟」
と、術を演唱しながら、話しかけるハゲ兄弟の兄貴の雲良」
俺は、急に話し掛けてきたのでめっちゃキョドッた。とにかく返事をする」
「あ、ああそうだな」
このセリフしか言えねえ。だから、コミ障は困る。
とりあえず話が止まらないよう続けなきゃ
「あの、あんたの方は、術使いなのか?それは、誰に教わったんですか?」
敬語と、タメ語が混じる口調で言った。
おい、俺日本人なのか?日本語メチャクチャだぞ。
ていうか、俺ら二人がナチュラルに話している中、あいつら大変そうなんですけど
「それ?もしかして妖術のことか?まあ、師匠に3年かけてしごかれて、ようやく身に付けた力なんだ」
「弟が、ボスのサポートで、兄貴が、魔術での後方支援って、珍しいな」
「ボスサポ?何言ってんだオマエ?ときどき訳の分からない言葉をしゃべるなあ」
この異世界じゃあカタカナ言葉を通じないのか。まあ。昔の日本がモチーフだからしょうがないか。
「兄貴の命令だ。3年前新米だった俺ら兄弟が、兄貴の下に付くときに別の術師がいたが、その方が、妖に殺されてから、俺が代わりの術師になったからだ。なんか兄貴が「お前に妖術を使う才能があるから、術師を目指せ」といわれてなあ」
喋りながら傷をおった仲間に術を使い回復させる。
「師匠のシゴキはきつかったが、これも兄貴を護るためだ。そのためなら、いくら苦しんでも構いはしねえ」
すげえ頑張ってんだなこいつ、俺とは大違いだな。他人の為に努力するとか。
「それより、もう少ししたら、勝ちが見えるぞ」
雲良に言われて、赤覆狒々が疲弊していて、右腕には、おびただしいほどの血が流れいて、それ以外は、全く、ダメージを受けていない、イヤそうじゃないあいつらは、右腕以外攻撃していない。さっきから右腕しか集中攻撃しかしていない。
「そろそろ兄貴のアレが見れるな。しっかり見とけ焔あれが、剛毅の兄貴の真価だぞ」
「真価?」
真価ってなんだ必殺技か?
ダメージを負ってイライラしたかなりふい構わず攻撃する赤覆狒々、そして、剛毅に左腕で、攻撃すると、その一撃を避け、また、右腕に攻撃しようとしている。
その時、俺に電流が走った。剛毅の金棒になにかおかしな雰囲気が漂っていた。なんか不気味な感じだ。
「ぶった斬れ・・・鋭鬼の鋼骨」
ズドン!!!
その時、雷が落ちたかのように激しい衝撃っが走った。
その音と同時に赤覆狒々の右腕は、切り落とされ、右腕は、地面に落ちた。
そして、右腕が亡くなった赤覆狒々は、残った左腕の重さに耐えられず、右方向に倒れた。
「グオオオオオオオオオオ、オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
倒れたと同時に剛毅の部下が大歓喜した。
「よっしゃ、まず右腕をつぶしたぜ。さすがですぜ兄貴」
「さすが、兄貴の切り札『鋭鬼の鋼骨』いつ見てもしびれるぜ」
「この調子で残りの部位を潰しましょう。兄貴」
「兄貴!!結婚してくれ」
おいどうなってんだ。金棒で殴ったはずなのになんで刃物見たいに綺麗に斬れてんだ。どういう原理でこういうことが起きるんだ。つーか今誰だ?結婚してくれって言った奴。
頭が混乱している俺の隣にいた雲良が解説を始めた。
「今のが、剛毅の兄貴の武神『鋭鬼の鋼骨』神話級の妖鋭鬼の骨を素材にした金棒だ。鋭鬼は、その名の通り触れたものがなんであろうと、斬れてしまうようだ。
その力を得て、通常の打撃に加えて、斬撃もできる。しかも斬撃は、打撃より数倍以上の破壊力があると言われている。
ただし、妖の力を借りるので、体力の消耗が激しいため使う回数が限られている。」
と、分かりやすく解説始めた雲良。いや、能力について分かったんだが、武神とかなんだよ?そこから説明してくれ。
その時俺は寒気がした、俺は寒気がする方向を見ると剛毅が物凄い剣幕で「俺の能力を説明するな」と言わんばリにこちらを睨んでいた。俺は、すかさず雲良に、剛毅の方に向け指すと雲良は、青ざめた表情でオドオドしながら誤った。
「すんません!!兄貴」
スゲエ声だな兄貴でも弟と同じ声量が出せるんだな。つーかここから結構離れているのによく聞こえるな。
やっぱりあいつ他に能力持ってんとか。
剛毅は、俺たちのことを見た後、赤覆狒々の一歩手前まで歩きそいつを見下している。
「おいどうした?化け物さっさと抵抗しろよ。俺は、不様に抵抗しているお前が見たいんだ。ま、それより、次は両足、次にこの汚ねえ歯最後に首筋だ。左腕は、残しながら殺してやるよ。
なんせ重たくて大事な腕だからな。その左腕を愛しながら苦しめてやるよ」
「グオオオオオオオオオオ。」
赤覆狒々は、剛毅を思いっきり睨んでいる。
剛毅は、聖人のような表情で言っているが、いくら化け物だからってやりすぎる。と思った。時雲良が俺に声をかける。
「やりすぎだと思っているのか。甘いなそれが兄貴のやり方だ。「戦場で敵を殺すなら常に非常を持て」それが兄貴の言葉だ。ほんの少しの甘さで全滅する恐れがある。それを絶やすため、相手の希望を一つずつ潰すのが兄貴のやり方だ」
俺は思った。そうかこれが、本当の殺し合いだ。ゲームじゃない。やり直しはできないんだ。
ホントにこの非常な世界で俺は、生き残れるのか?
剛毅は、部下に左手で、指示を出しながら構える。
「さあ待たせたな。お楽しみはこれからだ。楽しもうぜ、赤覆狒々」
そうまだ狩りは始まったばかりだ。
あれからどれくらい時間が経ったか、周りは既に日が落ちて夕暮れに染まっていた。
夕暮れか元の世界で古井戸に落ちたことを思い出すな。
と、思い出に似付かぬ現状を見た。
そこには、右腕どころ両足も鋭い歯もなく周りが血の海に染まっている赤覆狒々の姿があった。
「グオ、・・・・・オオオ」
どうやらまだ生きていると言うかそれも時間の問題だ。もう死んだも、同然のような状態だ。
と思った瞬間赤覆狒々が最後の力を振り絞った攻撃をしたが、剛毅は、それを軽くよけ、金棒で、赤覆狒々を地面に叩きつけた。
「だ・か・ら遅えって言ってんだよ。てめえは、力がある分遅すぎる。その程度の早さじゃ俺達を殺せねえんだよ」
「もういいですぜ。兄貴さっさと殺しましょうぜ。今夜は、パッといこうぜ」
「そうだ雲火の言うとおりだ。早くやりましょう」
「そうだ。そうだ」
部下が殺せ、殺せと無法者見たいに叫んだ。いや確かに無法者だけど。
「しょうがねえ。今日はこれでおひらきにするか」
金棒を振りかぶる剛毅、とどめを刺すその時、
「ヒ、ヒ、ヒッヒヒヒヒヒヒッヒヒヒヒヒッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッヒヒヒヒヒヒッヒヒ」
その時俺たちは、悪寒した。まるでこれから惨劇が、始まるかのような感じがした。。
「くそがァァァァァァァァァァァァァァ」
剛毅達が一斉にとどめに入る瞬間赤覆狒々が纏った赤い妖気が放出された。
「妖気?馬鹿め。そんなもん雲良の結界で、」
「馬鹿野郎さっさと逃げろ!!!!!!!」
部下の言葉を静止する剛毅の怒号でさっさと逃げる部下達だが、すでに遅く、剛毅と雲火以外は金縛りにあったかの様に動かなかった。
「バカな雲良の兄貴結界だぞ、なんで動かねええんだよ」
赤覆狒々は、見た目は、たいして変わらないが放出している赤い妖気がより濃くなっている。
その時赤覆狒々の右腕と両足と牙が瞬間的に回復した。
「そんな腕と、足が、」
「兄貴たすけ・・・・」
「幾造オオオオオオオオオオ」
雲火が絶望を見ながら叫んだ
剛毅の部下の幾造が赤覆狒々に食べられた。は、は、初めて見た人が食われる瞬間
「ゲホ、ゲホオエッ」
俺は吐いた涙を流しながら。俺だけではない死地をくぐった隣にいる雲良でさえも。
俺は、気が狂いそうになった。こんなものを見ると。
「てめえ、俺の部下になにしやがる!!!」
震えた手で、取っ手を握りながら金棒を振り構えて怒りに我を忘れて突撃する剛毅。
相手の妖気を避けながら突っ込んで金棒の能力で斬りかかろうとする瞬間、それを避け、背後に回る赤覆狒々。
「ハヤッ・・・イ」
ドコン
すさましい衝撃で剛毅は50メートル程吹っ飛ばされた。
「ゲホッ」
「兄貴、。」
雲良が回復するため、剛毅の方に向かって回復したが気絶をしていて動かない。俺も一人だと怖いので雲良の方に向かった。
どうやら先と比べて早さも力も段違いだ。
「この野郎」
雲火が背後に首筋を狙うも逆に返り打ちにあい大木に叩きつけられた。
その後赤覆狒々は、妖気で動かなくなった部下を捕食している。やだ
「ひ、いいいいいいいたすけ・・・てくれ」
「死にたくないいいいいいい」
「嫌だああああああああ」
そう俺達は、逆に狩られていた」
赤覆狒々は、剛毅の部下を捕食してより、気が付くと、周りが血みどろになっていた。。
残っているのは、俺と気絶している剛毅とそれを回復する雲良と気絶はしてないが、恐怖で動けない雲火だけだった。
2チャンネル見てる奴らならカマセ乙とか言うがそんなこと言えんぞ。
マジで絶望的だぞ。
赤覆狒々は、食事が終わった後俺らの方に向かっていた。
雲良はとっさに結界を張ろうとしたが、雲良が消耗しているせいか、赤覆狒々がさっきより強くなったせいか結界があっさり砕かれた。
くそ他に何かないのか。・・・そうだ俺は、雲良に腰に下げてる刀に向けて言った。
「なああんたの腰に下げてる刀の能力でどうにかできないのか?」
「無理だ武神は、熟練し、波長を合わせれば、能力が使えるがあいにく俺ら兄弟にそれを覚醒するちからはない」
と一蹴された。逃げるにも今の奴には、まず追いつかれる。
もう俺は死ぬのか。だがどうせ死ぬならと、俺は雲良が腰に差している刀を奪い赤覆狒々に向かって走っていた。
「俺の刀を、まさかそれで奴と戦うつもりか?無理だ?武神は、持ち主以外では、まず能力が発動できない。今のお前のやり方は無謀すぎる」
雲良がそういうがやるしかないだろ。普通のラノベならここで覚醒する展開だが、俺にはできるのか?周りに美少女がいなく代わりにムサイ男がいる状況で
「うわあああああああああああああああああああああああ」
俺は、走ったほんの少しの奇跡を信じて走った。それにここまで頑張ったんだ。悔いわない。
「別にあなたが戦わなくていいでござるよ」
見知らぬ声がした。それと同時に激しい突風で俺どころか赤覆狒々も動かない。
「なんだ・・この風は」
「も、もしかしてお前俺の刀を覚醒させたのか?」
そんな訳ねえだろ、こんなご都合主義。
くそ風で何も見えない、ん、今誰か、通り過ぎた。
だれだ?人影だけ見えて他は何も見えない。あと聞こえるのは、走る足音が聞こえる。
そして、突風が、消えたと同時にあの人影も消えた。
代わりに見えたのは、正面から赤覆狒々に跳び向かう自分より長い太刀を持った少女であった。
つーかこの世界自分より長い武器持つの好きだね。流行ってんの?
その少女は、腰に下げてる小袋から小さなお手玉のようなものを取り出し、赤覆狒々に投げた。
小さな音がした。そして、この場から離れる赤覆狒々。
「た、助かった」
剛毅を抱えホッとする雲良
何が起こったんだ。疑問を持つ俺にその少女は、説明する。
「あれは、反吐タヌキの屁で調合した強力な臭い球でござる。しばらくここには来ないでござる」
さっきまでの状況が嘘だった用に軽い口調で言う。
その少女は、黒髪で、左目がかみで隠れていて、腰までいく長いポニーテールで、着物は、右袖がはだけてて、その小さな胸を隠すさらしをしており、和がモチーフなのに短いスカートをしている少女だ。
しかも長い太刀を使い語尾のござるが特徴だ。
やばい気が抜けたせいで目がくるむ。気絶しそうな俺、しかし、どうしても伝いたいことがある。
それを言わないと。
「ありがとう。俺は、・・・・ささ・・・・・・が・・わ・・・・・・ほむ・・・・・ら君の・・・・な・・まえ・・は?」
「うちの名前でござるか。うちは、凛音でござる」