その1、とりあえずうだうだ考えるのは、諦めた
「ここは、どこだ?」
これが、俺がこの妙な世界に迷い混んでからの最初に発した台詞だ。
廻り360度見ての森林に突っ立てる俺こと笹川焔
この森と俺以外存在しない。
しかも森にいるから真夏なのに暑く感じなく、逆にちょと寒い。
もしかして寒いのは、怖いからか、馬鹿野郎俺は、こっ怖くねえよ。
しかし、まさかあの古井戸とこの変な世界が繋がってるとはな。
もっもしかしてこの俺もついに異世界デビューですか。
おい待て、タイミング悪いだろ、こっちはなにも持ってないんだぞ。
普通異世界転移するなら、現代にあるものを持ってきて無双するはずだろ。
こっちは裸同然だぞ。しかも普通誰か近くにいるだろ。
なんでいないんだよ。放置プレイも大概にしろよ。
おい、誰か助けてくれよ。俺を支援しろよ。
見渡す限りの森林に取り残された俺は、もう泣きそうになる。
今まで泣きそうなことは、何度かあったがこんななま易しいものではない。
まるで真の孤独を感じるようだった。
確かに俺は、友人が少なく女友達なんてそもそもいない。
いや、一人いるがあれは、対象外だ。
それは、幼なじみの春華だ。
金髪ショートサイドテールで、同年代なのに姉御肌でいつも振り回されたっけ
小学生の時は、よく遊んだのに、中2の時は、とある理由で疎遠になったなぁ。
高校まで一緒で、しかもクラスも同じなのに高校入学してから数ヶ月たったいまでもまったく話しかけて来てくれないし、こっちから話しかけて来ても無視するし、仕舞いには、110番に掛けようとするからだ。
あの時は、俺が悪いさ、でもその仕打ちはないだろ。
確かに俺は、ラノベばっか読んでるオタクですけど、顔もそこそこいいだろ。
いや自画自賛じゃないが、数少ない友人、親、親戚の殆どがそこそこイケメンと、いってくれるんだぞ。
しかも部活に入ってないが、体育は小学校から中学校にかけての評価は、平均4だぞ。ちなみに5評価中だぞ。
それにこないだの体力テストの遠投35メートルだし、50メートルは7、15秒だぞ。
勉強も前の期末テスト全クラス196人中85位だぞ。
すべてが平均より少し上の俺がこんな扱いを受けなきゃいけないんだよ。
あ、そういえば、友達の阿部くんが、内気とちょと出てくるナルシストと性格の悪さが無かったらモテてたと、言ってたな。
阿部くんの言った通りだ。俺のネジ曲がった性格直したいよでも直せないよそれが、人間だからだよ。
ああ、春華とよりを戻したいな。
春華高校生になって、見た目ビッチぽく見えるけどああ見えて、人を選んで接してるんだよな。しかも明るくて男女関係なく友達多いんだよな俺と違って
しかも、胸の大きさは女子の話を盗み聞きして聞いた話だと、最近
Eカップになったらしい。
ああ余計春華を独り占めしたい。
いかん、いかん煩悩静まれ。
俺下らないこと考えないで森を早くぬけるぞ。早くしないと日が暮れる。
この世界に来てしばらく歩いて考えると、元の世界は夕方になってたのに対して、この世界に来てからの時間帯は、真っ昼間らしい。
どうやらこの世界とあの世界は時間帯が異なってるらしい。
ああ、異世界てのは、来るもんじゃないな。楽しいのは最初だけだ。
早く帰って寝たい。
だけど帰る方法は、分からない。
もしかして誰かが俺をこの異世界に召喚させたんだ?
この性格がひねくれてる俺がなぜ?
大体なんで俺なの?俺以外異世界に行きたい奴山程いるだろ。
なんで無能な俺をテイクアウトしてんの?
そもそも異世界転移する奴は、ヘタレが定番なの?
いや、俺はヘタレじゃないけど
他に優秀な奴を召喚しろよ。
例えば、屈強なプロレスラーや賢そうな学者とかさ。
なに、絵にならない?美少女がオッサンとイチャイチャするの見たくない?
そんなのしるかボケェェェェェェェェェェェェェェェェェェ。
ヘタレなガキもオッサン達と同じ絵にならないだろうが!!!!
しばらくすると、森を抜け、一本道にたどり着いた。
よしこのまま歩くと、街に着くぞ。異世界あるあるだ。
お腹すいたな、そういえば、ここに来てなにも食べてないな。
向こうの世界で最後に食べたのは、昼食のおにぎり3つだけだっけしかもすべて梅味
お袋が作ってくれたんだよ。出来れば、彼女に作って欲しがったなとくに春華に
くそまただまたあいつのことを思い出してきた。
もう重症だな俺
ストーカー一歩手前だな。そろそろ割りきろう。
あっそろそろなんか見えてきた。街が見えてくるぞ。
次の瞬間俺は、予想外な光景を見た。
それは、俺が思う街と違っていた。なんと中世の街ではなく、日本の時代劇に出てきそうな小さな村だった。
えええ、そっちかい中世の街を想像したのに。
しかも遠目でぼやけて見えるが、着物を着ている人が沢山いるよ。
風車じゃなくて、水車が廻っているよ
教会じゃなくて寺みたいのが見えるよ。
大剣じゃなくて、太刀を背中に背負っている人が多いよ。
なんてことだ・・・・・・・・・・
中世を予想したのになんで和風なんだよ。
いや、和風もいいけど
異世界てのは、みんな中世がモチーフじゃないのかよ。
まずいな、今まで異世界ラノベを読んできて、和風がモチーフした異世界なんて、読んだことない 専門外だ。
こんなことなら和風の異世界について勉強すれば良かった。
しかし、時代は、なんだろうな幕末か?平安時代か?
頼む戦国時代であってくれそれなら知識がある。
戦国時代なら、小学生の時、ゲームで、勉強したから大丈夫だ。
そういえば、春華も戦国時代が好きだったな。
歴女というかどうか分からないが、それなりに詳しかったなぁ。
確か、伊達政宗が好きだったな。よく小学生の頃ゲームで対戦して使ってたっけ。
まあとりあえず、村にいこうかと前に進もうとした瞬間俺はつい近くの茂っている草むらに隠れていた。
なぜなら目の前に、極悪そうな山賊みたいな集団がこっちに向かって、歩いていたからだ。
数は8人グループで、熊のような毛皮を着て、釈迦どくろの装飾品をつけているた。服もつぎはぎだらけで武器も刀や巨大な金棒をもった集団で、いかにも山賊ですとアピールしている奴等だ。
冗談じゃない面倒ごとなんてごめんだ。
ヤバいだんだん近づいてきた。
そして話し声がきこえる。
「しかし、兄貴よ今回の標的は、大丈夫ですかい?あれ、上級の妖ですぜ?」
巨大な斧を持った額に横線の傷痕があるスキンヘッドの大男が喋りだした。
「ああ、大丈夫だろう。いくら上級でも今の俺たちなら倒せるだろ」
今度は、自分より長い長さの金棒を持った、さっきのスキンヘッドの男より大きな男が喋りだした。
たぶん身長は2メートルを越えてるだろう。
あの集団の中で、一番屈強な体型をしており、目付きが鋭く何人の人間を殺しているような目で、何より一番怖いのは、左肩に描いている桜の花と桜の花びらの刺青をしている奴だ。
怖ええええええよまじモノホンじゃん。
「だが心配するな、いくら20人補食している奴でも俺がテメエラを誰も欠けずに生きて帰らすからよ」
と口で笑っていた。
おいおい見た目と違っていい奴じゃねぇか。
「それに今回の標的、赤覆狒々(せきふくひひ)は、確かに強いが力だけだ。相手の攻撃的を冷静に見切りながら打ち合わせ通りまず強力な両腕を集中攻撃して、腕を落とし、次は、足を落して動きを止める次は、牙を破壊する。これなら相手の攻撃範囲を徐々に削れる。そして、仲間が疲弊したら、雲良お前の術で、俺らを回復しろ」
「はい、兄貴」
今度は、額に、ふたつの黒子があるスキンヘッドか?
もしかして先の傷男とは兄弟か?
道理で顔も声も似てるな。
「それを維持して、次は、急所である心臓を狙いまくれ。そしたらいつかくたばる。後注意する所は、纏っている赤い妖気だ。それに触れれば何が起こるかは、分からねえが、その点は、雲良の強力な結界があればおそらく大丈夫だろう」
『はい、兄貴』
一声に返事をする部下たち
熱血すぎだろこいつら
「しかし雲火お前晩飯何にするんだ?まさか昨日と同じあわとひじきの和え物じゃないよな?」
「え?なんだって雲良の兄貴!!!!」
やっぱ兄弟だあのスキンヘッドズ
しかも弟の方は、あの集団の誰よりも声を出している。
つーか弟声でけえ。ここからでも耳が響く。
「お前相変わらず声でかいなぁ。いやそれよりももう飽きたんだよ米だせよこ・め」
「米は今の貯金じゃ買えないよ。それに無駄遣いしたら、妹の薬買えないだろ」
「それならおもいきって店の親父に値切るよう頼めよ。しっかり頼んだら値切ってくれるかも知れないだろ」
「俺には無理だよ怖くて無理だよ兄貴」
「てめえそれでも」
「黙れエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエお前ら!!!!!!!!!これから死ぬ覚悟で挑むんだぞ。それ以上喋ると帰らすぞ」
突然の恫喝で心臓が止まりそうになった。
うるせえぇよ叫ぶなこのバカ!この集団は、大声でも出さないと死ぬ呪いでもかけられてるのか?
『すまねえェェェ剛毅の兄貴』
二人の兄弟は、頭を深く下げた。
そして、剛毅とかいうボスは、首をコキコキ鳴らしながら、「行くぞ」と呟いて部下を連れて森に消えた。
ああびっくりした心臓がまだバクバクする。
それに、あいつらは、山賊じゃなくて魔物退治のパーティーメンバーか?
むさ苦しいパーティーだな。筋肉100%じゃねえか。
におい臭そうだな。
まあ厄介ごとに巻き込まれるのは嫌だしさっさと村に行くか。
その時村に行こうとする瞬間体が金縛りにあったかように動かない。
またかよ、本日二度目だぞ。よく金縛りにあうな。
そして、まわりの木は風でざわむいている。なんか悪寒がして、体が気持ち悪く吐きそうになる。
さらに強力な向かい風があったかように体が森のほうに吸い込まれる。
なんて力だ。今度はなんなんだ。
「ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
気づくとまた森林に戻ってしまった。
先ほど吹き飛ばされて、体中のあちこちが木にぶつかって痛い
幸い骨折やアザができてないため体はまだ動かせる。
そして俺は、絶望した。目の前には、7、8メートルに及ぶ身長と、鋭い牙と爪に茶色毛皮にそれに、赤く纏っている何かが俺の目の前にヨダレをたらしながら鋭い眼差しで俺を見ている。
こ・・・こ・・・・・・・・これがあの山賊もどきが言ってた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・赤覆狒々(せきふくひひ)」
「グ、グ、グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」