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セカンドライフ――俺の記憶が戻るまで  作者: 力水
目覚め――迷宮攻略編
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第6話 迷宮攻略(2)


迷宮入りから 13日目 迷宮150階層


それから十日間は、様々な罠を試す事により効率的な【ギガンテス】の狩を模索した。【死霊蛙王(ゴーストフロッグキング)】にかじられながら罠をはるというレンの悲しくも涙ぐましい努力もあり、一日平均3体程の【ギガンテス】を倒し、クラスはBへと到達する。

 クラスがBに到達したことによる変化は劇的だった。今まで一つ目と頭頂部にある角以外は傷一つ付けられなかった【ギガンテス】を一刀両断する事が出来る様になったのだ。正直、レンが狩り過ぎて儀式の間の周辺で罠にかかる【ギガンテス】が心なしか日に日に減少しているように思えていたので、罠をはらなくても倒せるようになったのは大きい。

もっとも、やっと150階層の怪物と対等に渡り合えるようになったに過ぎない。圧倒できなければ殿下の身を守り切れない。今日の目標は、今まで散々煮え湯を飲まされた【死霊蛙王(ゴーストフロッグキング)】の討伐だ。【死霊蛙王(ゴーストフロッグキング)】を討伐できる事が確認できたら150階層のマッピングに乗り出したい。



 【カラドボルグ】を握り締め通路を駆ける。この儀式の間周辺は【ギガンテス】の数が少なくなったのとは対照的に【死霊蛙王(ゴーストフロッグキング)】の姿が目立つ。だから数分とかからず発見する事が出来た。巨大な化けガエルは前方の十字路の右の通路にいる。お尻だけ見える事から背後は取ったようだ。罠などの小道具を使わない初めての全力の戦闘だ。Bクラスになって身体能力がどれくらい向上したのかも知りたいところだ。


(悪いけど実験台になってもらうよ!)


 左脚で石床を全力で蹴る。ドゴッという音と共に石床が爆発し、レンの身体は巨大蛙との間合いを一瞬で無にし、その背後から【カラドボルグ】の射程に捕える。自分の出鱈目な加速に内心驚愕しながらも剣を上段から袈裟懸けに神速で振り降ろす。【カラドボルグ】の刀身が蛙を真っ二つに切断し、さらに勢い余って背後の石床までも切断し数メル程の亀裂ができる。目の前のふざけた現象に頬を引き攣らせるレン。


(クラスがBになって攻撃も速度も全てが別次元だ。でも、やけに楽勝だったなぁ。【死霊蛙王(ゴーストフロッグキング)】と僕の能力値(ステータス)は本来はさほどの違いはないはず。本来苦戦するはずなんだけどさ。【カラドボルグ】の性能の差と言う奴かもしれない。力が同じになり、武器の差が顕著になってきた? いや、僕の力が【カラドボルグ】の力をよりうまく引き出せるようになったと理解すべきかな)


 もう、逡巡(しゅんじゅん)を覚える必要はない。これからが本当の命懸けの迷宮探索だ。鞄から長方形の薄型の機械を取り出す。これは学校で配られる迷宮のマップ入力用の機械。これに情報を入力してマップを形成するのだ。レンが今まで訪れたことのある通路すべて入力していく。操作を終了し鞄に仕舞う。じゃあいこう。真の冒険に!



 それからレンは迷宮探索に没頭する。冒険というものを物語の世界でしか知らなかったレンにとってこの迷宮150階層は殊の外新鮮だった。無限に続くとも思える巨大な通路に、その通路を跋扈する伝説上の怪物達。まさに今まで恋い焦がれ続けた冒険そのものだったから。

 




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