閑話 タツの歓喜
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迷宮実習21日目午前零時24時37分 迷宮内
聖と光の精霊タツとその生徒達はマジックアイテムで騎士校高等部グラウンド中央で起きた出鱈目な現象を口をあんぐり開けてみていた。まさに開いた口が塞がらない。
(ざけんなょ! 坊ちゃんとピョン子の話ではコーマックとフェイはクラスGのはず。コーマックの《樹王束縛》は第6階梯魔法。これはクラスF、L17以降じゃねえとそもそも覚えられねぇ。第7階梯魔法の《暗黒煉炎》はクラスEだ。魔王はクラスE。つまりだ。すでに此奴等はクラスGでありながら魔王を傷つける事が可能というわけだ。マジ笑えんぜ)
クラスの壁は三大超越神さえ触れることは許されぬこの世界の絶対の法則。だからこそ、クラスチェンジの恩恵は大きく、至るための条件は一段階以上上のクラスの者を討伐することなのだ。何度も挑んで倒すならまだ理解できる。だがあれ程簡単により上位のクラスのものを屠るのをタツは初めて見た。
(才能がない? 違う! 俺の認識が間違っていた。クラスを超えた術の取得など聞いた事もねぇ。彼奴等は坊ちゃんと同じ突然変異の化物だ。
しかし、同じチームに偶然2人も突然変異体いるなどありえるのか? 精霊にだってあんな化物いやしねぇ。ありえねぇ。とするとやはり坊ちゃんの影響か。まったくあの御方は……)
「タツ先生、次の指示お願いします!」
フレイザーが神妙な顔でタツを見ていた。カラム達にも視線を向けるがフレイザーと同じだった。
(グランドにいる奴らを見てみろよ! 皆、狐につままれた顔してるじゃねぇか? だってよう、クラスが上位の相手を瞬殺してジャンケンしてんだぜ? 真面じゃねぇよ。狂ってやがる。
お前らのその目はもしかして自分にもあれができるはずだという目かぁ? 確かに坊ちゃんと接点があるお前らなら同じ現象が起きるかもなぁ。見たこともねぇ光景が見れるかもなぁ)
「いいだろう。俺も一著気合い入れてやんよ! お前らも全力でついてきな!」
「「「「「はい(ニャ)!!」」」」」
(面白れぇ。面白れぇよ。最高だぁ。退屈? 馬鹿をいうなよ! あり得ねぇよ! 世界はこんなにも面白いんだからよぉぉぉ!)
お読みいただきありがとうございます。
個人的には次のお話からが書いてて楽しかったです。ご期待いただければ幸です。




