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神様との聖戦  作者: 霧島
第1章
5/6

驚き

彼女の手から血が吹き出していた。

俺に触れようとした手は、その寸前で何かに切り落とされていた。

「…助かった。」

俺は安堵と痛みで意識を失った。


「とりあえず、死に損ないを救助したわ。」

意識の遠くで女性の声がする。

「やつは?」

今度は男性の声。

「逃げられた。」

再び女性の声が聞こえ、俺は重い瞼を開けた。

「う、うぅ…。」

目を開けると、夜空が見えた。

星はあまり見えないが、月は満月で綺麗だった。

見慣れた夜空が今は愛おしく感じられ、俺に安心感を与えた。

「起きたようね。」

女性の声がした。

俺は自分の状況を把握するために、視線を周囲に巡らせた。

どうやらここは駅前のロータリーのようだ。

その中央のオブジェの横の地面に、俺は仰向けで寝ていた。

「こいつ、どうするの?」

ちょうど頭の上方で声が聞こえる。

俺は女性の声がする方へ視線を向けた。

最初に見えたのは、白く肉づきの良い脚だった。

そして次に見えたのは、白い布地だった。

これはおそらく。

「白のパンツか…。」

生きている喜びを確かめるかのように、俺は思わず口に出して言った。

「はぁ?…きゃっ!」

女性は俺の言葉を理解し、可愛らしい声を上げた。

そして、脚を振り上げ。

「死ね。」

殺意のこもった、どす黒い声でそう言って、俺を蹴飛ばした。

「ぐはっ」

俺はオブジェに衝突し、横向きに地面に倒れた。

そのおかげでようやく、彼女の全容が見ることができた。

彼女は制服姿だった。

しかも、俺と同じ学校の。

そして、黒髪のポニーテイルを揺らし、起伏の少ない胸の前で腕を組む姿はどこか見覚えがあり。

「い、委員長?」

そう、そこにいた女性は同じクラスの委員長、上宮春奈だった。


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