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AIアシスタントと行こう!異世界テンプレ記  作者: tomo
☆第1章 異世界サバイバル
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第1話 異世界へ

午後の教室、窓から差し込む日差しが、

単調な光景を描き出していた。

季節は初夏、エアコンの低い音が眠気を誘う。

生徒たちは、各々でその時間を過ごしていた。


教室の隅、窓際の席。

坂本昇も、立てた教科書の陰で

地味な表紙のSF小説を読む。

「開始のチャイムまであと5分…。」

手元の小説に意識を集中する。

坂本の髪は、目にかかるほど伸びており、

顔立ちは整っているはず(?)だが、

常に俯き加減の彼は、まさに「モブ」そのものだ。

周囲との関わりを避け、目立たぬように、

成績も平均値にキープしている。

彼が最も重視する、平和な日常へのアプローチだった。

「ふむ、この量子通信の概念は…」

心の中で、小説の内容と、先日図書館で読んだ

専門書の内容を照らし合わせる。

坂本にとって至福の時間…。

そんな坂本の意識の端は、ある「輝き」があった。

教室の中心、グループの仲間と笑い合う、

真鍋咲希の姿だ。

艶やかな黒髪、大きな瞳、スラリとした手足。

校内における「美少女四天王」の一柱。

明るく、成績優秀、容姿端麗。彼女の存在は、

まるで太陽のようだ。

その輝きは、彼の日常にわずかな彩りを与えていた…。


一方、真鍋咲希は、女子グループと話す合間、

教室の隅にいる一人の少年に向けて、微かな波紋を広げていた。

(坂本君、また1人で本読んでる…。ホント、あそこだけ世界が違うみたい)

真鍋咲希は坂本のことが、少し気になっていた…。

それは、自分でも意識しない、漠然とした感情。

彼の寡黙な雰囲気の裏にある、時折見せる真剣な横顔。

同じ中学出身の真鍋咲希は、坂本の昔を知る人だった…。


午後の時計の針は、ゆっくりと動いていた…。


その時、教室の空気が、まるで熱に歪むかの様に、空間に捻りが生じ始めた!?


「…!?」


刹那、真鍋が坂本に意識を向けると、二人の目が合った。

それぞれの頭上には、赤黒く光る魔法陣が出現していた…。


「「…え?」」


それは、次第に大きく複雑さを増していき、幾何学模様が幾重にも二人を取り囲む。


(…なんだこれ?身体が動かない!?)


坂本の開いていた文庫本が、パラリと床に落ちる。

彼は、一瞬、自分の黒歴史時代の妄想が始まったのかと錯覚したが、


「え…?、何が…!?」


真鍋咲希もまた、自分の周囲で発生した現象に目を見張る。


魔法陣の禍々しい光が、教室を満たし、彼女の黒髪を妖しく照らし出した。


異常に気付く。


(なぜ、周囲の生徒たちは、この異常な現象に全く気付いていない…!?)


「ねえ、聞いてよ!昨日のあのドラマ!」

「そうそう、マジで最高だったよね!」


普通の会話、普通の笑い声。全てが「普段通り」に流れている。


(なんで…誰も気付かないんだ?)


坂本も周りを見回す。


二人は、この空間から切り離されたかのように、周囲に「認識」されていない…。


魔法陣からの燃える様な光は、より一層の輝きを増す。


「な、何なんだ!これ!…え、数式…!?」


真鍋咲希を取り巻く光は、複雑な数式と幾何学模様を伴い、上方へと昇華している様だった。


そして、陽炎のように、音もなく消えゆくのだった…。


「あれ…?今…何が?」


坂本は、自分が数秒前まで何を感じていたか、思い出せない。文庫本を拾い上げる。


「坂本君、どうしたの?顔色悪いよ」


真鍋が、心配そうな表情で話しかけてくる。


「…あ、だ、大丈夫…。」

少し違和感は感じるも、自分の世界へ潜り込んでゆく…。


何も変わらない日常。

今は何も変わらない…。



—---------




ザワザワと風に揺れる葉擦れの音。鼻腔をくすぐる、土と草の匂い。鬱蒼とした森の巨木の隙間、横たわる少女の瞼が動く…。


「…っ、ここは…?、どこ…!?」

「……。」


日は傾き、控えめなオレンジ色の光と静寂が辺りを満たし始めていく…。


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