表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AIアシスタントと行こう!異世界テンプレ記  作者: tomo
☆第1章 異世界サバイバル
13/28

第12話 拠点整備

 話し合いを終えた二人は、役割を分担して本格的な拠点整備に乗り出した。


 午前中のメニューはこうだ。坂本は食料の確保と、生活に不可欠な衛生設備の造営。真鍋は火の管理と飲料水の確保、そして洞窟内の整理整頓。

午後は、2人で薪を拾って、その後は、それぞれのスキルを磨く。暗くなる前に食事を済ませ洞窟へ入る。これを等分のルーチンとする。


 「よし、まずは腹を満たす算段だな」


 坂本は小川へ向かい、脳内の相棒を呼び出した。


「AIアシスタント、効率のよい罠の作成方法を教えてくれ。今の腕力と道具でできる範囲でお願い。」


『坂本様、かしこまりました。釣るより「追い込む」「置いて待つ」方が消耗が少なく、生存率に寄与します。

今の浅瀬には”石堰いしぜき”が最適です』

 AIの解説は淀みなかった。

石を積み、下流側に開口部を持つV字型の壁を作る。奥を狭く、浅く作るのがコツだという。

歯を食いしばりながら石を積み上げた。

 出来上がった石堰の上流から、適当な棒で水面を叩きながら歩く。すると、面白いように魚たちがV字の奥へと逃げ込み、行き止まりで跳ねた。


「……獲れた! 三匹もいる!」


『坂本様、おめでとうございます。簡単な魚のさばき方、保存方法をお教えしましょうか?』


「ああ、頼む」


『では次に、拠点づくりのコツを。さらに簡単でおいしい魚料理三点についてお教えしましょうか? それと、効率的な運搬方法、石の選別方法、……』


「わかった、わかったから! 順番に頼むよ!」


 一度学習モードに入ったAIアシスタントは、坂本の「やる気」に呼応するように次々と情報を提示してくる。坂本は苦笑しながらも、知識が形になる万能感に浸っていた。


 その頃、真鍋は川岸で作った石の炉の前にいた。


「昨日の坂本君の手順を思い出して……。よし」


 彼女が手にしているのは、坂本が作った「弓きり式」の火起こし道具だ。棒を弓の弦に巻き付け、高速で回転させて摩擦熱を生む。

 キリキリ、と乾いた音が洞窟に響く。


「うぅ……思ったより力がいる。でも、これが私の仕事だもん。」


 額に汗がにじみ、腕の筋肉がぷるぷると震える。それでも彼女は諦めなかった。幾ばくかの挑戦で、ついに木の切り屑から細い煙が立ち上った。


「っ、火種ができた!」


 慎重に、壊れ物を扱うように枯れ草の束へ移し、そっと息を吹きかける。赤黒い塊が、パッと明るい炎に変わった瞬間、彼女の顔に今日一番の笑顔が咲いた。薪へと火を移し、拠点の灯を守る「火守り」としての第一歩を刻んだ。


「続いて、水の煮沸と」


バックに入っていた小鍋で川の水をすくい、火にかけてゆく。


 作業が進み安堵した真鍋は、そのまま洞窟内の整頓に取り掛かった。

共有区画に平らな石を並べてテーブル代わりにする。

奥の「骸骨の部屋」は坂本の個人区画とし、自分は入り口寄りの少し明るい場所を拠点とした。

 しかし、彼女は火起こしと掃除に集中しすぎていた事で、

背後の茂みが不自然に揺れたことに、彼女は気づけなかった…。


 一方、坂本は小川の下流、生活圏から十分に離れた場所にいた。


(衛生管理は基本中の基本だ。放置すれば病気になるし、臭いで魔物を寄せることになるからな)


 彼はAIの指導のもと、地面に深い穴を二つ掘り、木の枝と大きな葉を組み合わせて目隠しを作っていた。即席の「トイレ」と「ゴミ処理場」だ。重労働だが、真鍋のプライバシーを守るためにも妥協はできない。


 「よし、これでひと段落―」

 泥を拭い、腰を伸ばしたその時だった。


「――きゃああああああっ!!」


 森の静寂を切り裂き、洞窟の方から真鍋の悲鳴が届いた。


「真鍋さん!?」


 坂本は心臓が跳ね上がるのを感じた。骸骨から貰った剣を掴み、泥にまみれた足で無我夢中に駆け出す。


(馬鹿か俺は! 一人は危険だとわかっていたはずなのに!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ