【第88話:呉越同舟】
【タイムリミット:残り4時間】
「作戦を確認する!」
カイは全員に向かって叫んだ。
「目標は上空のクリスタル・アーク。
あそこには強力な対空結界と、無数のキメラ部隊がいる。
普通の攻撃じゃ届かない」
カイはヴォルグとガルドを見た。
「だから、二段階で行く。
第一段階。獣王とガルドの混成部隊が、地上から陽動をかける。
ありったけの魔力と矢を撃ち込んで、敵の注意を引きつけてくれ。
そして、結界の一点に穴を開ける」
「第二段階。
その穴を通って、俺とエルナが『疾風』で突入する。
要塞の内部に入り込み、中枢でリベレーターをぶっ放す!」
無茶苦茶な作戦だ。
生存確率は限りなく低い。
だが、全員の顔に迷いはなかった。
「ガハハ! 空の散歩か! 悪くねぇ!」
ヴォルグが笑う。
「我らが道を切り開く。
……カイ、必ずやりとげろ」
ガルドが頷く。
「ガルド、お前はどうする?」
「私は別ルートから侵入する。要塞の下層部に、補給用のハッチがあるはずだ。
そこから中層の動力区を経由し、敵の注意を引きつける」
「了解だ。俺たちは最上層から突入する。時間を稼いでくれ」
そして、エルナ。
彼女は短くなった銀髪を風になびかせ、静かにカイの手を握った。
「……私が『疾風』を操作する。カイは私の後ろに座って。」
「ああ。頼りにしてるぜ!」
カイはノクスを起動した。
『エネルギー充填率、120%。臨界点突破まで、あと少しだ。』
「よし、行こう!」
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