【第87話:ガルドの決意】視点:ガルド
【タイムリミット:残り8時間】
地下への入り口が開かれる。
外の世界は、不気味なほど静かだった。
建物も、地面も、すべてが青い水晶に覆われている。
太陽の光を反射し、皮肉なほど美しい。
「……これが、ザガンの理想郷なのか」
ガルドは、水晶になった自分の部下――若い騎士の像の前で足を止めた。
恐怖の表情のまま固まっている。
ガルドは震える手で、その像に触れた。
「すまない……。
私が愚かだったせいで……」
涙が、ガルドの頬を伝う。
彼は騎士団長失格だ。
部下も守れず、国も守れず、自分のプライドさえも守りきれなかった。
だが。
「……まだ、終わってない」
背後からカイの声がした。
「そいつらは死んでない。時間が止まってるだけだ。
俺たちが勝てば、全員元に戻る。……そうだろ?」
カイがリベレーターを担ぎ、空を睨んでいる。
その目には、一点の曇りもない希望があった。
「……ああ。その通りだ」
ガルドは涙を拭い、大剣を高く掲げた。
「全軍、傾注!!
これより、反撃作戦を開始する!!」
ガルドの号令に、生き残った獣人と騎士たちが雄叫びを上げる。
かつて殺し合った敵同士が、今は一つの目的のために並び立っている。
上空には、ザガンの居城――『空中要塞クリスタル・アーク』が浮かんでいた。
巨大な逆ピラミッド型の要塞。
あそこに、リリアがいる。そして、このふざけた悪夢の元凶がいる。
「ザガン……。
貴様が望んだ静寂を、我々の喧騒で叩き壊してやる!」
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