【第67話:古代鉄道の旅】
地下鉄道の乗り場。
魔導エンジンを無理やり直したトロッコが、ガタガタと音を立てて待機している。
カイは荷物を積み込み、座席に座った。
食料は少ない。水もギリギリだ。
だが、心は不思議と軽かった。
カイはノクスに問いかけた。
「ノクス、正確な残り時間を教えろ」
『リリア結晶化から21日経過。
残り日数は、8日と13時間だ』
「残り8日と半分……」
絶望的な数字には変わりない。
だが、道は見えた。
聖女の都へ行き、聖女エルナを救い出し、その血(因子)を得る。
そのまま、獣王の都へ逃げ込み、空中要塞で移動してきたザガンをぶっ飛ばしてリリアを解放する。
「……忙しい旅になりそうだ」
『休んでいる暇はないぞ。
聖女の都は、ここ以上に排他的で、狂信的な場所だ。
異教徒であるお前が入れば、即座に異端審問の拷問にかけられるだろう』
ノクスが相変わらずの調子で脅してくる。
「へっ。こちとら10億の賞金首だぞ?
今更、罪状が一つや二つ増えたところで痛くも痒くもないね」
カイは強がって笑った。
嘘でも笑っていなければ、あせりと不安で押しつぶされそうだったからだ。
「行くぞ、ノクス。
……絶対にリリアさんを、迎えに行くんだ」
カイがレバーを倒す。
トロッコが急発進し、暗いトンネルの中へと吸い込まれていく。
背後で、コラルが手を振っているのが見えた気がした。
目指すは第五の都市――『聖女の都セレスティア』。
そこには、カプセルの中で生まれたという聖女が待っている。
そして、物語は核心へと加速していく。
カイの瞳に、不屈の炎が揺れていた。
どんなに傷だらけでも、どんなに無様でも。
この手で奇跡を掴み取るまで、彼の逃走劇は終わらない。
第4章:盗賊の都 カラン 【完】
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
少しでもお楽しみいただけましたら、
広告の下にある 【★★★★★】 を押して応援していただけると、執筆の励みになります!
↓↓↓ 広告下のこちらより ↓↓↓
(※感想もお待ちしております。)




