【第64話:解錠コード】視点:コラル
影の城、玉座の間。
コラルは上機嫌で、手に入れた『白夜の宝珠』を空にかざしていた。
薄暗い地下空間で、宝珠だけが太陽のように眩い光を放っている。
「きれいー! ねえ、見てよじい!
これでお城が明るくなったね!」
「左様でございますな、コラル様」
側近の老人が目を細める。
そこへ、足を引きずりながらカイが入ってきた。
顔色は死人のように白く、包帯だらけの姿だ。
だが、その目だけは異様にぎらついている。
「……約束のブツは届けたぞ、盗賊王」
カイが掠れた声で告げる。
コラルは宝珠を下ろし、つまらなそうにカイを見た。
「あ、起きたんだ。
てっきりそのまま死んじゃうかと思った」
「死ねない理由があるんでね。
……約束だ。『解錠コード』をよこせ」
コラルは玉座に深く座り直し、足をぶらぶらさせた。
「ねえ、お兄ちゃん。
これ盗む時、どうやったの?
じいの報告だと、屋敷中が水浸しで、騎士たちが感電して、魔獣まみれだったって聞いたけど」
「……ありあわせの道具を使っただけだ」
「ふふっ、最高!」
コラルが無邪気に笑う。
「あたしね、強いだけのバカは嫌いなの。
でも、お兄ちゃんみたいに狡賢くて、必死で、壊れそうなオモチャは大好き」
コラルは指を鳴らした。
老人がうやうやしく、一枚のメモをカイに渡す。
「それ、ノクスの『第七権限』を解放するためのマスターコードだよ」
カイがひったくるようにメモを受け取る。
「……これで、ノクスが完全になるのか?」
『解析中……。
間違いない。これは我の深層領域にアクセスするための鍵だ』
カイの手が震えた。
ついに手に入れた。リリアを救うための第一歩。
だが、コラルは意地悪く付け加えた。
「でもさぁ。それだけじゃ、足りないと思うよ?」
「……なんだって?」
「だって、その黒い玉はただの『増幅器』だもん。
『中身』がなきゃ動かないよ」
コラルは自分の首元のチョークを指差した。
「あたしたち『作られた化け物』にはね、オリジナルの『因子』が必要なの。
……お兄ちゃんが次に探さなきゃいけないのは、それだよ」
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