【第45話:閃光と静寂】
「リリアさん――!?」
カイが地面に転がった瞬間。
カッッッ!!!!!!!
音のない閃光が世界を白く染めた。
目を開けていられないほどの強烈な光。
そして、鼓膜を圧迫するようなキーンという高音。
「う、あ……」
カイは目を覆いながら、光の中心を見た。
そこには、リリアがいた。
光の奔流を、その身一つで受け止めている。
「リリアさん! 離れろ!!」
手を伸ばす。
だが、届かない。
数メートルの距離が、無限に遠く感じる。
光の中で、髪飾り――カイがあげた安物のガラス玉が、キラリと光る。
彼女は微笑んでいた。
いつもの強気な笑顔ではなく、どこか儚く、美しい笑顔で。
そして。
パキッ……パキパキパキッ……。
乾いた音が響き渡る。
リリアの足元から、青い結晶が侵食していく。
足が、腰が、腕が。
肌が、ガラスのような硬質な物質に変わっていく。
「やめろ……やめてくれ……!!」
カイは這いずった。
爪が剥がれ、指から血が出るのも構わずに。
結晶化は止まらない。
リリアの首までが青く染まる。
最後に、彼女の碧色の瞳が――
カチン。
完全に、固まった。
世界から、音が消えた。
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