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【第43話:青い光の照準】

魔獣がリリアを追い詰めていく。

リリアは壁際で、荒い息を吐きながら剣を構えている。

苦痛の表情をしながら、愛剣を強く握りしめている。


「そろそろ、終わりにしよう」


ザガンがつまらなそうに杖を向ける。

その瞬間、魔獣の巨大な尻尾が、リリアの愛剣を直撃した。


「ッ……!」


ガシャン!!


愛剣がリリアの手から弾き飛ばされ、床に転がる。

金属が床に当たる音が、会場中に響き渡った。


「くっ……!」


リリアは素手で構え直す。

だが、武器を失った剣士の戦いは、もはや限界に近い。


魔獣の口が大きく開き、青白い光が収束していく。

『結晶化の吐息ブレス』。

あれを浴びれば、人間など一瞬でただの石塊になる。


「やめろぉぉぉぉぉ!!」


カイは喉が裂けるほど叫んだ。


「動けよ! 俺の足!!」


バキッ。


カイの足の骨が、無理な力で悲鳴を上げた。

それでも、彼は動いた。

恐怖も、痛みも、理屈も超えて。


ただ、彼女を助けたいという一心で。


カイは懐から、ホテルでくすねた「発煙筒」を取り出した。

震える手で点火し、魔獣の顔面に投げつける。


シューーーッ!!


赤い煙が魔獣の视界を奪う。

魔獣が怯んだ一瞬の隙。


「リリアさん、逃げろ!!」


カイはなんとか重力を振り切り、魔獣の前へと躍り出た。

盾も武器もない。


「こっちだ、化け物!!

俺の方が美味いぞ!!」


魔獣の視線が、リリアからカイへと移る。

青い光の照準が、カイの胸元に合わさる。


(う、足が動かない)


カイの脳裏に、走馬灯のように記憶が巡る。

迷宮での出会い。

屋台での食事。

バルコニーでの約束。


『全部終わったら、田舎に行こう』


ごめん、リリアさん。

約束、守れそうにないや。


カイは目を閉じ、死を受け入れるしかなかった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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