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【第40話:競売開始】視点:ザラ

競売場のVIP席。

そこはマジックミラーで仕切られ、一般の参加者からは見えない特別席だ。


ザラはそこに座り、眼下のステージを見下ろしていた。


「……役者は揃ったわね」


隣には、白磁の仮面をつけた男が座っている。

青玉せいぎょくのローブを纏い、異様な存在感を放つ男。


蒐集家コレクター』ザガン。

表向きは大富豪だが、その正体は七王家の末裔にして、商人の都の裏の支配者の一人だ。


「ザラ君。君が持ち込んだ『商品』……なかなか興味深いね」


ザガンの声は、爬虫類が這うような粘着質な響きを持っていた。


「でしょう?

10億の賞金首と、極上の『おまけ』を、生きたままお届けしたわ。

……約束の報酬は弾んでもらうわよ?」


「もちろんだとも。

だが……君も悪趣味だね。

彼らに『希望』を与えておいて、絶望の底に突き落とすとは」


ザガンがクツクツと笑う。


ザラは表情を変えずにグラスを傾けた。


(ビジネスよ。情けなんて挟む余地はない)


そう自分に言い聞かせる。

だが、胸の奥にわずかな棘が刺さっていた。


あの少年、カイ。

怯えながらも、リリアを守ろうとしていた目。

そして、自分に対して対等に取引を持ちかけてきた度胸。


「さあ、始めようか。

私の『コレクション』が増える瞬間を」


ザガンが指を鳴らす。

ステージの照明が落ち、スポットライトが二人の「奴隷」を照らし出した。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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