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【第37話:ザガンの噂】視点:ザラ

「……青春ねぇ」


支配人室にある魔導スクリーンから、カイたちの様子を覗いていたザラは、ふぅと煙を吐き出した。


「見てられないわ。こっちが恥ずかしくなってくる…。」


ザラの背後に、部下が立つ。


「ザラ様。

ザガン様より入電です。

『明日の競売、楽しみにしている』と」


ザガン。

この街の裏の支配者。

白磁の仮面をつけ、異常なほどに「秩序」と「静寂」を愛する狂人。


彼の屋敷の使用人は、足音ひとつ立てることを許されない。

皿を鳴らせば首が飛び、咳をすれば舌を抜かれる。

彼が求めているのは、音のない世界。

すべてが凍りついたような、完璧な静けさだ。


「……あの二人、ザガンの『静寂』に耐えられるかしら」


ザラは、部屋の大きな窓から夜空を見上げた。


「カイ君。

あなたのその騒がしい生命力が、あの男の凍てついた世界を溶かせるか……見せてもらうわよ」


運命の競売まで、あと24時間。

歯車は、残酷な結末へと回り始めていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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