【第27話:商人の都へ】
「……やっと着いたな」
箒の燃料が尽き、数日の旅路の果て。
徒歩で荒野を越えた先に、その都市はあった。
黄金色の砂漠の中に突如現れる、巨大なオアシス都市。
摩天楼のように高い塔が林立し、ネオンの光が不夜城のように輝いている。
第三の都市――『商人の都ヴァランザ』。
「……ここが、世界一金持ちの街」
カイは圧倒された。
城門の前には長蛇の列。
高級な馬車、異国の商人、怪しげな傭兵。
空気そのものが、金と欲望の匂いで充満している。
「カイ、見て」
リリアが指差した先。
城門の巨大な掲示板に、新しい手配書と人相書きがデカデカと貼られていた。
『指名手配:カイ』
『罪状:第一級国家反逆罪、王女殺害および国家転覆の容疑』
『賞金総額:1,000,000,000 G(10億ゴールド)』
「…………は?」
カイは目をこすった。
ゼロの数を数える。
いち、じゅう、ひゃく……じゅうおく。
「じゅ、じゅうおくぅぅぅぅぅ!?」
カイの絶叫が砂漠に響いた。
10億ゴールドの賞金首。
それは、世界中の悪党と賞金稼ぎが狙う、歩く金塊の山と言っても過言ではない。
そんな状況で、この欲望の魔都を生き延びなければならない。
そして、ふたりを待ち受ける絶望の運命は、すぐそこまで迫っていた。
第2章:魔法の都 アークルーン 【完】
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