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【第26話:天才魔術師の涙】視点:スレン

破壊された研究室で、スレンは一人、夜空を見上げていた。


「……行っちゃったか」


遠くの空に、流れ星のように消えていく光の筋が見える。

彼らは無事に逃げ切ったようだ。


「そこまでだ、スレン・アークライト!!」


扉を蹴破り、評議会の執行官たちが雪崩れ込んでくる。

杖を構え、殺気に満ちた視線を向ける彼らに、スレンは優雅に椅子に座ったまま、コーヒーカップを傾けた。


「やあ、こんばんは。

随分と騒がしい来客だね」


「貴様……! 禁忌に触れただけでなく、侵入者を逃がすとは!」


「禁忌? ああ、あの論文のことかい?」


スレンは机の上の論文の束を指差した。


「あれなら、もう彼らが持って行ったよ。

ボクの手元にあるのは……ただのコピーと、自爆用の魔力回路だけさ」


スレンが指を鳴らすと、研究室のあちこちに仕掛けられた魔法陣が赤く輝き始めた。


「なっ……貴様、この塔を吹き飛ばす気か!?」


執行官たちが狼狽する。

スレンはクスクスと笑った。


「冗談だよ。

……でも、ボクを殺したら、世界中の魔導通信網にあの論文の内容が自動送信される。

それでもいいなら、どうぞ?」


執行官たちは動けない。

スレンという爆弾は、あまりにも危険すぎる。


(……これで、しばらくはボクも籠の中の鳥か)


スレンは窓の外、彼らが消えていった空をもう一度見た。


姉さん。

ボクは、託したよ。

あの頼りない少年と、真っ直ぐな剣士に。


彼らなら、きっと暴いてくれる。

この腐った世界の真実を。


「……頑張りたまえ、カイ君」


スレンの頬を、一筋の雫が伝った。

それは、姉を失ってから初めて流す、安堵と希望の涙だった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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