表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/103

【エピローグ:八番目の都市】

一年後。


アル=ヴェルド大陸に点在する七つの迷宮都市は、大きく様変わりしていた。

ザガンの野望が潰え、各都市のトップ会談により「七都平和条約」が結ばれたのだ。

その立役者は、言うまでもなく「世界を救ったEランク冒険者」とその仲間たちだった。


剣の都レガルス。

復興が進む王都の大広場で、盛大な式典が開かれていた。


「――誓います」


純白のウェディングドレスに身を包んだリリアが、少し照れくさそうに言う。

その隣には、慣れないタキシードを着て、ガチガチに緊張しているカイ。


「誓えよ、早く!」


神父役の……代わりを務める獣王ヴォルグが、豪快に叫ぶ。


「ち、誓います!!」


カイが裏返った声で叫ぶと、参列者たちから爆笑と拍手が巻き起こった。


最前列では、聖女の服を脱ぎ捨てて冒険者風の服を着たエルナが、スレンと一緒に満面の笑みで微笑んでいる。

その隣には、商売繁盛でウハウハのザラ。

さらに、影からこっそりと見守る盗賊王コラル(お祝いの品として、どこかの国の国宝が届いていた)。


『やれやれ。我の相棒が既婚者になるとはな。

これからは夜の冒険も忙しくなるな?』


胸元のノクスが茶化す。


「うるせぇ! 余計なお世話だっつーの!」


カイは顔を真っ赤にしてノクスを叩いた。


式の後。

バルコニーで風に当たる二人の姿があった。

かつて商人の都で、二人で夜景を見た時と同じように。


「……信じられないな。俺みたいなEランクが、A級のリリアさんと結婚なんて」


「ランクなんて関係ないって、あなたが証明したんじゃない!」


リリアがカイの隣に並び、手すりに寄りかかる。

左手の薬指には、カイが商人の都でプレゼントしたガラス玉の髪飾りと同じ色の、美しい宝石の指輪が光っていた。


「ねえ、カイ。これからのことだけど」


「ん?」


「私、新しい都市を作りたいの」


リリアは遠く西の空を指差した。


「七つの都市のどこにも属さない、誰もが自由で、誰の指図も受けない街。

……『八番目の都市』。なんて、どうかしら?」


カイは目を丸くし、それから笑った。

それはもう、かつての弱者の卑屈な笑いではない。

未来を見据える、冒険者の顔だった。


「いいな、それ。

俺の『逃げる才能』と、リリアさんの『戦う才能』があれば、どんな荒野でも開拓できる」


「ふふ。頼りにしてるの…ですわ。絶対!」


「ああ。任せとけ、ハニー」


「うふふふ。」

「あはははは。」


二人は笑い合い、そしてキスをした。

空には、どこまでも続く青い空間と、まだ見ぬ冒険の世界が広がっている。


七つの迷宮都市を巡る、長い長い逃走劇。

それは、最高のハッピーエンドで幕を閉じた。


だが、彼らの旅は、これからもずっと続いていくのだ。



━━━━━━━━━━━━━━━

Seven Labyrinth Cities: The Billion-Gold E-Ranker

『七大迷宮都市逃走記──逃げ足だけが取り柄の最弱冒険者なのに賞金首10億ってマジですか!?』


【完】

━━━━━━━━━━━━━━━


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ご意見・ご感想など、お気軽にお寄せください。


少しでもお楽しみいただけましたら、

広告の下にある 【★★★★★】 を押して応援していただけると、執筆の励みになります!


↓↓↓ 広告下のこちらより ↓↓↓

(※感想もお待ちしております。)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
完結おめでとうございます! これだけの長編を一気にアップされて凄いですね。例のツールも本当に助かっています。更なるご活躍、期待しております!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ