【第99話:崩れゆく要塞】
「走れ! 走れ! 床が抜けるぞ!」
崩壊するクリスタル・アークの中を、カイ、リリア、エルナの三人が疾走する。
爆発と炎が迫る。
「出口はどこ!?」
「あっちだ! 疾風がいる!」
甲板の端。
無事だった飛竜『疾風』が、瓦礫を避けてホバリングしている。
「疾風! ありがとう、待っていてくれて!」
エルナが叫ぶ。疾風は嬉しそうに鳴き声を上げ、翼を広げて迎え入れる準備をした。
「跳べぇぇぇぇッ!!」
三人は空へと身を投げ出した。
背後で、巨大な空中要塞が大爆発を起こす。
爆風が三人を押す。
「きゃあああ!」
「うおぉぉぉ!」
空中で飛竜『疾風』の背にしがみつく。
間一髪。
「……助かった……」
カイは飛竜『疾風』の上で深呼吸をした。
青い空。白い雲。
そして、隣にはリリアとエルナがいる。
「終わった……のか?」
「ええ。終わったわ」
リリアがカイの顔を覗き込む。
その顔は煤だらけで、涙の跡があって、最高に情けなくて、愛おしかった。
「……カイ。ありがとう」
「礼を言うのは俺の方だよ。ありがとう……生きててくれて。」
二人は空の上で、強く抱き合い、喜びをかみしめた。
下界では、生き残った人々が空を見上げ、歓声を上げているのが見えた。
最終章:静寂を砕く者たち 【完】
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
少しでもお楽しみいただけましたら、
広告の下にある 【★★★★★】 を押して応援していただけると、執筆の励みになります!
↓↓↓ 広告下のこちらより ↓↓↓
(※感想もお待ちしております。)




