【第98話:二人のコンビネーション】視点:リリア
感動の再会も束の間。
大地が揺れた。
「オオオオオオオッ!! 許さん……許さんぞ、虫ケラどもォォ!!」
崩れた水晶の山から、異形の怪物が這い出してきた。
ザガンだ。
システムのコアを破壊され、人の形も崩れ、ただの暴走するエネルギーの塊となり果てている。
「カイ……あれは?」
「ザガンの成れの果てだ。
……リリアさん、立てるか?」
カイが肩を貸してくれる。
体の節々が痛むが、不思議と力は満ちていた。
長い眠りの間、ずっと誰かが呼んでくれていた気がする。
その声が、私の魂を繋ぎ止めていてくれた。
「ええ。……リハビリには丁度いい相手ね」
カイは、リリアの剣を取り出した。
「リリアさん。これ、あんたの剣だ。……やっと渡せる時が来た!」
カイが剣を差し出す。
リリアはその剣を受け取り、重さを確かめた。
「……ありがとう、カイ」
結晶化していたせいか、以前よりすこし重く感じる。でも、振れる。
「行くぞ、リリアさん! あいつのコアは胸だ! 俺が隙を作る!」
「了解! 合わせるわよ!」
カイが走る。
彼は懐から「閃光弾」と「煙玉」を取り出し、ザガンの顔面に投げつける。
単純な目くらまし。
でも、そのタイミングは完璧だった。
(……凄いわね)
リリアは感嘆した。
私がいなかった間に、彼は随分と逞しくなった。
もう、守られるだけの少年じゃない。
背中を預けられる、一人前の男だ。
「今だッ!!」
カイの合図。
リリアは地を蹴った。
身体強化。
A級冒険者の全速力が、音の壁を越える。
「はあぁぁぁぁぁッ!!」
銀閃一閃。
リリアの愛剣がザガンの胸部、剥き出しになったコアを斬り裂く。
「ガ、ア……アァァ……!!」
ザガンの巨体が崩れ落ちる。
光の粒子となって霧散していく彼の体。
その最後に、仮面の下の素顔が、安らかに笑ったように見えた。
彼もまた、自らの狂気から解放されたのかもしれない。
要塞が激しく揺れ始める。
核を失い、崩壊が始まったのだ。
「脱出するぞ!!」
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