僕の推しの中の人
vtuberと中の人。
「やっぱ人気だよね、このvtuber」
「あ、ありがとう」
時期は冬になりかけの秋。
何か暖かい飲み物が欲しい、そう思ったから、僕たちはジュースを買った。
学校の、自動販売機。
それにも、このvtuberがコラボしたジュースがある。
大企業の、人気vtuber。
清楚で、可愛らしい。
陰キャ、からは遠い。
「はい、あげる」
「ありがとう。ふ、ふふふ、間接接触」
「新しすぎて理解ができない…」
けど、幸せなようで嬉しい。
「飲んだ?」
「うん? いや、まだ一口しか飲んでないよ」
何だろう、嫌な予感しかしない。
「じゃ、じゃあ、交換しよう? 私のと」
ほら、ほーらー。
…。
「そうだね、交換しよう」
僕はなんとかして微笑んで言う。
「ふひっ」
微笑みを崩すな、崩すなっ!
こ、このきたな、可愛らしい顔も、好きだなあ!
そして、交換する。
幸せ、これは幸せで名誉なこと。
好きな人が一口つけたジュース。確か、口をこの人はつけたはずだ。
間接キス、名誉です、ありがたい。
さあ、我慢して飲もう!
そう言い聞かせ、僕はひとく…。
「じーっ」
なんか、じっと見てる!
ゴクッゴクッゴクッ。
「ありがとうございます!」
笑顔で言ってみせる。
「じゃあ、私も飲むね」
ゴキュッゴキュゴキュッ!
「ふふ、間接キス、だね」
僕は頭を縦に振りまくる。
この人のこの表情は、可愛い。小悪魔みたいな。
なんか音がおかしかったような気もするが。気にするな!
僕は、ジュースのvtuberを見る。
そして、目の前にいる少女を見る。
この少女は、高1で、同級生で、髪が長く、雰囲気がザ陰キャで、痩せすぎていて。
似ていない、vtuberと、この子は。
だけど、この子の幸せは、僕の幸せ。
何故なら、この少女は、僕の推しのvtuberの中の人なのだから。
推しの幸せが少年の幸せ。
読んで頂き、ありがとうございました。




