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僕の推しの中の人

作者: 薫納豆
掲載日:2025/11/09

vtuberと中の人。

「やっぱ人気だよね、このvtuber」

「あ、ありがとう」


時期は冬になりかけの秋。

何か暖かい飲み物が欲しい、そう思ったから、僕たちはジュースを買った。

学校の、自動販売機。

それにも、このvtuberがコラボしたジュースがある。


大企業の、人気vtuber。

清楚で、可愛らしい。

陰キャ、からは遠い。


「はい、あげる」

「ありがとう。ふ、ふふふ、間接接触」

「新しすぎて理解ができない…」

けど、幸せなようで嬉しい。




「飲んだ?」

「うん? いや、まだ一口しか飲んでないよ」

何だろう、嫌な予感しかしない。

「じゃ、じゃあ、交換しよう? 私のと」

ほら、ほーらー。

…。

「そうだね、交換しよう」

僕はなんとかして微笑んで言う。

「ふひっ」

微笑みを崩すな、崩すなっ!

こ、このきたな、可愛らしい顔も、好きだなあ!


そして、交換する。


幸せ、これは幸せで名誉なこと。

好きな人が一口つけたジュース。確か、口をこの人はつけたはずだ。

間接キス、名誉です、ありがたい。

さあ、我慢して飲もう!

そう言い聞かせ、僕はひとく…。

「じーっ」

なんか、じっと見てる!


ゴクッゴクッゴクッ。


「ありがとうございます!」

笑顔で言ってみせる。

「じゃあ、私も飲むね」


ゴキュッゴキュゴキュッ!


「ふふ、間接キス、だね」

僕は頭を縦に振りまくる。

この人のこの表情は、可愛い。小悪魔みたいな。

なんか音がおかしかったような気もするが。気にするな!




僕は、ジュースのvtuberを見る。

そして、目の前にいる少女を見る。

この少女は、高1で、同級生で、髪が長く、雰囲気がザ陰キャで、痩せすぎていて。

似ていない、vtuberと、この子は。

だけど、この子の幸せは、僕の幸せ。


何故なら、この少女は、僕の推しのvtuberの中の人なのだから。

推しの幸せが少年の幸せ。


読んで頂き、ありがとうございました。

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