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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第二部 ミケ将軍到来編

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幕間 ミケ将軍と三地方官の戦いⅦ

 ミケ将軍の六千の兵は、既に二度、敵軍を壊滅させるという快挙を成し遂げていた。


 目の前には、三地方官連合軍の最後の砦、クラウス地方官が率いる五千の軍勢が残されている。


 クラウスは、アーベルとラインヴァルトの崩壊を目の当たりにし、その顔色は土気色に変わっていた。


 当初、一万八千の鉄壁の包囲網を敷いたはずが、今は自らの五千のみ。


 しかも、目の前のミケ軍は、疲労の色こそ見せながらも、連勝の士気で満ち溢れていた。


「全軍、聞け! 恐れるな! もう敵の数は少ない! 我々がこの場で耐えれば、増援が――」


 クラウスの弱々しい鼓舞は、戦場を支配するミケ将軍の威圧感によって、かき消された。


「クラウス地方官! 貴様の計算は、もはや全て破綻した! 覚悟を決めよ!」


 ミケ将軍は、既に疲弊している敵に猶予を与えるつもりはなかった。彼は、本陣を守る自軍の最も強靭な部隊を呼び寄せた。


「ダン大隊長! 貴様と私は、正面からクラウス軍の中央を穿つ! 残りの兵は、両翼を広げ、退路を断て! 逃げるな、全滅させよ!」

「ハッ! 将軍とご一緒とは光栄の至り!」


 ダン大隊長は、大柄で傷だらけの歴戦の勇士であった。


 彼は、自身が率いる精鋭部隊をミケ将軍の傍らに従え、雄叫びを上げてクラウス軍の中央目掛けて突進を開始した。


 クラウス軍は、既に指揮官たちが逃げ去り、魔法と奇策に怯えていた。


 彼らが頼れるのは、数という唯一の優位性であったが、今やそれも失われ、士気は地の底に落ちていた。


 ミケ将軍とダン大隊長が切り込む正面は、まるで巨大な岩がバターを切り裂くかのようであった。


 ダンの剣が、兵士たちの盾と鎧を打ち砕き、ミケ将軍の剣がその隙間から指揮官クラスの将兵を次々と討ち取っていく。


「だ、駄目だ! 敵わない! 逃げろ!」


 クラウス地方官は、ミケ将軍とダン大隊長の凄まじい突撃を前に、戦場から逃げ出したアーベルやラインヴァルトを愚かだと罵っていた数時間前の自分を恥じた。


 彼もまた、己の命の安全を優先し、指揮を放棄して敗走の道を選んだ。


 クラウス地方官の敗走を確認するや否や、残る五千の兵は、抵抗の意思を失った。


 ミケ将軍の兵士たちは、武器を捨てた敵に無用な血を流すことはせず、包囲を縮めて武装解除を進めた。


 彼らの目は、勝利の歓喜ではなく、敗北の屈辱に満ち溢れていた。


 乾燥した大地に、熱を帯びた風が再び吹き抜ける。しかし、今、この風が運ぶのは、血の匂いと、そしてミケ将軍の完璧な勝利の報であった。


 六千の寡兵は、闇の魔法とバーニーの奇襲、そしてダン大隊長との正面からの突撃という連鎖する奇策により、一万八千の強大な敵軍を、完全に打ち破ったのだった。

『貴様の計算は、もはや全て破綻した!』—— 逃走した凡将が残したのは、ミケ将軍の完璧な勝利と、歴史に残る戦果だけ。

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