幕間 ミケ将軍と三地方官の戦いⅥ
「な、なんだ!? 背後から敵だと!?」
ラインヴァルト将軍は、前方のミケ軍に全神経を集中させていたため、予期せぬ背後からの攻撃に、完全に虚を突かれた。
彼が目にしたのは、自軍の陣を破壊し、混乱の渦を巻き起こす、ミケ軍の旗印であった。
このバーニーの攻撃は、兵の数こそ少なかったものの、「背後を突かれた」という精神的な衝撃と、「二つに割った部隊が同時に襲われている」という状況から、指揮系統を麻痺させた。
ラインヴァルト軍の六千は、兵を二つに割っていたことに加え、バーニーの正確な本陣攻撃によって、瞬時にパニック状態に陥った。
特に、本陣を守る3000名の部隊は、前方からのミケ軍の圧と、後方からのバーニーの突撃に挟まれ、連携が崩壊した。
「ぐっ……! まさか、これが狙いだったとは……!」
ラインヴァルト地方官は、ミケ将軍が闇の魔法で穴を開け、兵を分断したのが、この後方攪乱部隊を送り込むための壮大な計略であったことに、今更ながら気づいた。
彼は、指揮を放棄し、残りの兵とともに戦場から逃走するしかなかった。
かくして、ミケ将軍は、アーベル、ラインヴァルトという二人の地方官の軍勢を、計算された計略によって、完全に戦場から排除することに成功したのだった。
背後から響いた、勝利の狼煙。ミケ軍の『影の部隊』が、圧倒的な数の優位性を嘲笑う。




