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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第二部 ミケ将軍到来編

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幕間 ミケ将軍と三地方官の戦いⅤ

 ミケ将軍の闇の魔法と突撃によって、アーベル地方官は、自軍の六千の兵を、穴を塞ぐための3000名、そして二つの突破口に対応するための1500名、1500名という三つの小隊へと細かく分断してしまった。


ミケ将軍は、この敵の慌てふためいた分散を冷静に見抜いた。


「敵は自ら、その巨大な牙を折った! 地方官たちは、大局を見失い、目の前の混乱にのみ囚われている!」


ミケ将軍は、一旦は分断させた自軍の兵を、再び迅速に集結させた。その目標はただ一つ。


「全軍、突撃を止めるための兵力、1500名の小隊を狙え! 数の多寡ではない。分断された敵は、最も脆い部分から崩壊する!」


 六千のミケ軍は、まるで獲物を定めた一匹の獣のように、アーベル軍の中でも最も小さく、支援も薄い1500名の小隊目掛けて、怒涛の勢いで襲いかかった。


 ミケ将軍の戦術は、単純かつ冷徹だった。

彼は、1500名の小隊を真正面から打ち破るのではなく、側面、特に敵が予期しない「右回り」からの攻撃を仕掛けた。


 この動きは、アーベル地方官軍の兵士たちにとって、致命的な混乱を生んだ。


「右だ! 右から敵が迫るぞ! 隊形を崩すな!」


 1500名の小隊は、正規の戦闘隊形を整える間もなく、ミケ軍の集中した火力と衝撃に晒された。


 少数の兵力は、その構造上、兵の集中が甘くなりやすく、一つの側面を突破されると、瞬時に総崩れとなる脆さを持つ。


 ミケ軍の精鋭たちは、この脆弱な一点を突き崩すや否や、一気に戦場を駆け抜け、1500名の小隊をわずか数分のうちに完全に壊滅させた。


 この凄まじい展開に、アーベル地方官は我を失った。


「馬鹿な! たったの一撃で……! なぜ、正面からではなく、そこを!」


 彼は、ミケ将軍が「数を割く」ことに成功しただけでなく、「その割かれた数を、最も効率よく叩き潰す」という意図を持っていたことに、今更ながら気づいた。


 3000名や、もう一方の1500名の部隊は、目の前の混乱と、「自軍が分断されている」という事実に対する恐怖から、迅速な連携を取ることができない。


 彼らが援護のために動こうとした時には、既にミケ将軍は最初の勝利を収めていた。


 ミケ将軍は、壊滅した小隊の血で濡れた地を振り返ることもなく、次の目標、もう一方の1500名の小隊目掛けて、その矛先を向けた。


 恐怖が伝播した。1500名の小隊は、仲間が一瞬で消滅した光景を目の当たりにし、戦う意欲を完全に失い、隊列を捨てて逃走を開始した。


 アーベル地方官の六千の兵は、ミケ将軍の奇策によって内部から完全に崩壊し、戦意を喪失した三つの部隊は、それぞれバラバラに敗走していった。


 こうして、ミケ将軍は、数の上では劣勢であったにもかかわらず、アーベル地方官の軍勢を、戦闘の第一ラウンドで打ち破ることに成功したのだった。

将軍の剣は、常に敵の『最も脆い部分』を知っている。—— 逃走した兵たちが運んだのは、恐怖と敗北の伝染だった。

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