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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第二部 ミケ将軍到来編

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幕間 ミケ将軍と三地方官の戦いⅣ

 クラウス地方官は、一騎打ちで時間を稼いだ後、左右から迫る二人の地方官、すなわちアーベル地方官ともう一人の地方官が率いる軍勢と完全に合流した。


 六千のミケ軍は、一万八千の鉄の包囲網の中に閉じ込められた。


「これで終わりだ、ミケ将軍! 数の暴力の前で、貴様の武勇も魔法も、ただの足掻きにしかならん!」


 クラウス地方官が勝利を確信した瞬間、ミケ将軍は包囲網が完成しかけている一点目掛けて、全軍を突撃させた。


 この動きに対し、三地方官軍は慌てて兵を割き、突撃を阻止しようとする。


 その時、ミケ将軍は馬上で、その手に携えた漆黒の杖を掲げた。


「闇よ、混沌を招け――!」


 大地が重く唸りを上げ、空気がねじれるような不気味な音が響き渡る。


 次の瞬間、ミケ軍が突撃している右方向、すなわちアーベル地方官の軍勢と、クラウス地方官の軍勢との継ぎ目目掛けて、巨大な闇の渦が奔流となって叩きつけられた!


 轟音と同時に、闇の魔法が着弾した一帯の兵士たちが吹き飛ばされ、数十メートルにわたって兵士が立ち入れない巨大な穴が開いた。


 この未曽有の「闇の魔法」の光景に、三地方官たちは顔色を失った。


 アーベル地方官は、自軍の陣に開いた穴と、その魔法の破壊力に戦慄した。


「馬鹿な! あの若造が、これほどの魔力を持っているのか! 中央の部隊、即刻、穴を塞げ! 迂闊に追うな! 闇の魔法に近づくな!」


 アーベル地方官は、ミケ軍が突撃によって開いた穴と、魔法で開いた闇の裂け目、この二つの突破口を同時に塞ごうと、自軍の兵を二つに割いて差し向けた。


 ミケ将軍は、まさにこの敵将の反応を読んでいた。


「見よ! アーベルは自ら兵を分断した! 我々の剣は、数の上ではなく、混乱の上にある!」


 ミケ将軍は、自らの部隊の半分を、闇の裂け目から包囲網の外へと突破させ、そのまま敵の後方攪乱へと向かわせた。


 残る半分は、ミケ将軍自らが率い、兵を割いて弱体化したアーベル地方官の軍勢の中央へと、さらに深く食い込んでいく。


 ミケ将軍の狙いは、「包囲網の突破」から、「敵軍の分断と各個撃破」へと切り替わっていた。


 六千の寡兵は、自らも兵を分断しながら、敵一万八千の連携を断ち切り、数の優位性を崩壊させるという、常識外れの戦術を実行に移したのだった。

包囲の鉄則、破れる。闇の魔法が開き、将軍の剣が深く食い込む。勝利は、混沌の中にある。

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