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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第二部 ミケ将軍到来編

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第三十三話 カエルの絵

 雨の日だった、慌てて、洞穴の中に入って行ったんだ、そうすると人影があったので身構えたんだ。


 おいらが避難態勢に入った先、洞窟から人影が顔を出す。


 変な老人が絵を描いていたよ。


「ちょぺりぐ、ちょぺりぐ、カエルの絵ってすげー」


(変なことを言う老人だな、どんな絵を描いているんだろうな)


 カエルの絵がすごいうまかったんだ、すごい綺麗で勇気の溢れる絵だったんだ。


「すげー上手いじゃねえか」

「ちょぺりぐ、ちょぺりぐ、こんなもんだよ」

「そんなことないって、誰かに見せるべきだよ」

「ちょぺりぐ、ちょぺりぐ、気にしたら負けだと思ってる」

「もったいないな、おじいさん」


 とりあえず、泥団子を作って遊んだりしながらその絵を眺めることにしたんだ、そして、雨が止んだから洞穴から出ていくことにした、泥団子が食べられたらな。


(時間の過ごし方は人それぞれだな、老人のように余生を過ごすのも一つかもね)


 タイランはそう考え込むのでした。


 一方、その頃、ポプトベルテではなく、リムリアの街では、勝利したミケ将軍に対して、人々は更なる不安は恐怖へと変わった。


 新聞にもミケ将軍が勝利したことが大々的に載せられたのだった、そして、ミケ将軍こそは恐るべき怪物であると報じられた。


「どうしましょう、ミケがいる間は街中を一人で出歩けませんわ」


 こうして人々は恐怖するのだった。


 戦争となり、リムリアの地は恐怖へと変わった、多くの戦死者が出たのだ、それだけではない、捕虜の数もまた多かった。


 次々とスタン国王が負けた地域では身の健康な男が奴隷として捕まり連れていかれ、美人な女も連れていかれるのだった。


 そんな中での一情景である、リムリアの地の一つの拠点であるゴミョボ市街で、いたいけな少女がいた。


 だが、その若さと美貌ゆえに男たちの鬱屈した欲望を晴らさんとする為、襲われようとしていたのだ。


「もうおしまいだわ、誰か助けて」

「お嬢さん、これこれどこへいくんだい、俺たちと楽しいことをしようじゃないか」

「いやよ、やめて、誰か助けて、いやぁー、誰か助けて」


 戦争で両親を失った一人の少女は恐怖に駆られてどうしようもなく泣くのだった。


 当然、この少女もこのまま行けば、他の悲劇の数多くの少女のように奴隷として売られて適当な男の相手でもしなくてはいけないような毎日を過ごすはずだったのである。


 実に許し難いことである。


「私に任せてください」

「俺たちが何とかしましょう」

「俺にお任せを」


 だが、それに対して勇気づけるかのように三人の勇者が現れるのだった。


 三人の勇者の一人が剣を構えるのだった、悪漢も素早く身構える。


 悪漢の首筋に一撃――

 直後、悪漢の動きがぱたりと止み、悪漢の姿は一瞬で崩れ落ちた。

 そして、沈黙が数秒流れる。


 何が起こったか分かった、次の瞬間、市街の人々は喜んだ、見事に悪漢を倒してくれたからだ。


 この三人とは


 エアレのクラウス・ドーフェル

 タジャルシのアーベル・ブルーメンガルテン

 メロエカズのラインヴァルト・フィードラー


 であった。


 この三人こそはスタン国王からリムリアを任せられている、三人だったのである、正規軍であるこの三人は有能な将軍であり、地方官たちであり、貴族でもある。


 この三人が軍隊を率いて連携する形を見せるのだった。


「万歳、万歳、万歳、我らがリーダークラウス様、我らがリーダークラウス様」

「そこら辺で私を褒めるのはやめることです、私だってミケ将軍に勝てるかどうかわかりません、しかし、人には戦わなければならない時がある、それがこの時なのです」


 そう言ってクラウス地方官はマントを翻すのだった、皆のものも体勢を正すのだった。


「それだけではありません、人として戦う以上は必ずや勝利は我が手にと言いたいですが、人道上は私たちが勝っていることは間違いありませんが、それだけではだめなのです」

「クラウス様頑張ってください」

「応援ありがとうございます、そう、勝てていたとしても、戦争に勝たなくてはこの勝利も無駄になってしまいます、そう、力無き正義もまた無力、これではいけません」


 そこで、クラウス地方官の発言をアーベル地方官が止めて発言するのだった。


「全くもってその通り、ですが、俺らと戦って勝てるとミケ将軍が果たして思うのでしょうか」

「それはそうかもしれませんね」

「俺らの要求に従って降参してくれるのではないのでしょうか、そうでなくても、要求のいくつかは飲むのではないでしょうか」


 アーベル地方官の発言にクラウス地方官は満足するのだった。


「それもそうですね、ミケ将軍もたった一人では心細いかもしれません、我々三人からの交渉に耳を遠ざけるほどミケ将軍も老いぼれてはいないはずです、必ずや従ってくれることでしょう」

「それもそうだ」

「いくらなんでも人は人です、テロリストがこのような残酷な仕打ちをしていると知っていれば、貴族として無念がり残念がるはずです」

「その通りだ」

「そして、テロリストをこれ以上庇い立てするようなことはしないことでしょう、我々はこのような許し難い敵をなんとしてでも倒さなくてはいけません」

「全くもってその通り、テロリストは兵士として最低のことをしています、全くもって許し難い、人として身の毛もよだつ獣のような行い」


 クラウス地方官は怒りに身を震わせ、次の発言を続けるのだった。


「略奪だけではありません、人を奴隷として売り渡し、交渉用の捕虜のみを助けている始末です」

「実に恐ろしい」

「おそらくは我々の仲間も何人か捕えられており、屈辱的な目に遭っているはずです、実に残念でなりません」


 実際に捕虜の何人かはミケ将軍にこれ以上の非道な行いは天もスタン国王も許さないと発言していたのだった。


 果たして、三地方官はミケを倒すことができるのだろうか、そして、ミケは三地方官に倒されてしまうのだろうか。

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