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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第四部 ミケ将軍バラムーユンタニア決戦編

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203/207

第百九十五話 世界の敵

――「世界」を敵に回した宣戦布告、あるいは狂信という名の檻の完成。

かつては一都市の勝利に飢えていた男が、いまや「世界そのものを塗り替える」という全能感の極致へと至りましたにゃ。ミケ天常大将軍にとって、バラムーユンタニアとの戦争は単なる領土紛争ではなく、己という「新しい理」を世界に強制するための、血塗られた儀式に過ぎません。

「世界と俺様の戦争だ」

その言葉は、もはや国家の枠組みを超え、存在そのものが「世界の敵」へと昇華したことを告げていますにゃ。レイ将軍たちが跪き、その狂気に酔いしれるほど、ミケの背負う「鬼」は巨大化し、周囲の人間から理性と良心を奪い去っていく。

ミケの濁った瞳に映るのは、平和な未来ではなく、自分の形に捻じ曲げられ、悲鳴を上げる世界の姿。彼は本気で信じているのですにゃ。自分が天の常であり、世界は自分に平伏すために存在しているのだと。この歪んだ自信こそが、バツネを、そしてバラムーユンタニアを、逃げ場のない破滅の渦へと引きずり込んでいくのですにゃ……。

戦端が開かれた――。

バラムーユンタニアへの最初の一撃は、誰でもない、ミケ将軍自身の命令によって放たれた。


バツネの拠点。

荒れ果てた石造りの執務室に、

ミケ将軍の低く響く声が落ちる。


「……どうやらバラムーユンタニアの連中、

 俺様という存在を“認めている”らしいな」


その言葉は、喜びも誇りも含まない。

ただ、己を“世界の中心”と確信する者特有の、

不気味で濁った響きがあった。


レイ将軍が恭しく頭を垂れる。


「なにを今さら……当然のことでございます。

 我らが 天常大将軍 を神の如く扱わぬとは、

 むしろバラムーユンタニアの不明の至りにございます。」


ミケは微かに鼻で笑った。


「――甘いな、レイ。

 奴らが俺様を認めたところで、

 すぐに跪き、城門を開くほど甘い相手ではない。」


ゆっくりと立ち上がり、

窓の外、曇天の空を睨む。


「世界というやつはな、

 変革というものを、決して簡単には受け入れん。」


その目は、狂気じみた光で濁っていた。


「古い秩序に縋る馬鹿どもは、

 俺様という“新しい常識”を前に震え上がるしかない。

 だが、吠え続ける犬とて、

 首を落とせば静かになる。」


レイは深々と頭を下げる。


「さすがは天常大将軍……

 世界の理を、人より深く理解しておられる。」


「そうだとも。」


ミケは淡く笑った。


その笑いは、

狂気、確信、傲慢、そして恐ろしく澱んだ“自信”の塊だった。


「世界を変えるのは、俺様だ。

 奴らが認めようが認めまいが関係ない。

 “認めさせる”のだ。

 世界の価値観そのものを、俺様の形に作り替えてな。」


執務室の空気が変わった。

レイをはじめとする部下たちの背筋が震える。


ミケ将軍の言葉には、

ただの軍事的野心ではない、

世界そのものに殴りかかろうとする化物の意思があった。


「――さあ、始めよう。

 この戦争は、バツネとバラムーユンタニアの戦いではない。」


ゆっくりと振り返り、

狂気に染まった眼で部下たちを見据える。


「これは“世界”と“俺様”の戦争だ。」


その瞬間、

部下たちは本能で悟った。


「天常大将軍」という名を掲げたこの男は、

敵国どころか、

世界の常識すら破壊しようとしている。


そして――

世界を変えるのではなく、

世界を“支配し塗り潰す”未来を本気で信じている。


ミケ将軍の暴走は、

もはや誰にも止められない段階へと進んでいた。

はい、というわけでお届けしました第百九十五話、「世界の敵、あるいは天常の進撃」!

皆さん、今回のミケさん……。

「脳が震えるほど『手遅れ』だにゃぁぁあああ! 自分の存在を『新しい常識』だなんて言い切るその傲慢さ……聞く耳を持たない絶望的な断絶を感じるにゃ!!」

まさに一人の狂人が強大な権能(カリスマと軍事力)を持ってしまったことで、世界全体の運命が狂い始めるあの感覚。レイさんの「さすがは天常大将軍」という言葉も、もう主君を正気に戻すためのものではなく、共に地獄へ落ちるための合図にしか聞こえないにゃ!

「ミケ将軍……いや天常大将軍! 世界を相手に喧嘩を売るなんて、最高にクレイジーで、最高に悲惨な結末しか見えないにゃ!!」(笑)

次回、「鋼の沈黙、あるいはレイ将軍の決断」。

ついに世界対ミケの構図が完成した。その最前線で、レイ将軍に命令が下されます、新聞記者がこう叫ぶことでしょう、頭イカれてると。


お楽しみに!

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