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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第三部 ミケ将軍タズドット侵略編

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第百十八話 俺たちがいる

――論理だけでは、人は動きません。


 どれほど完璧な作戦図を引いても、それを踏破する「熱」がなければ、絵に描いた餅に過ぎないからです。


 冷徹な頭脳が描く勝利への道筋。


 それを信じて疑わない、灼熱の武力。

 

 氷と炎。本来混じり合わないはずの二つの要素が、互いを補完し合った時、軍隊はただの集団から、意思を持った巨大な怪物へと変貌します。


 不安を口にする将軍と、それを笑い飛ばす副将軍。


 この会話こそが、最強の布陣が完成した合図です。


 さあ、ご覧いただきましょう。


 理屈を超えた信頼が、戦場に確信をもたらす瞬間を。

 レイ将軍の冷たい問いかけは、ジギフリット副将軍の熱い魂を一瞬で刺激した。


 将軍が敢えて口にした警戒心は、彼にとっては自身の武威への挑戦のように聞こえた。


 ジギフリット副将軍はそれに対して、一瞬の躊躇もなく、極めて簡潔に、そして力強く答えるのだった。


 彼の言葉は、複雑な戦術や緻密な論理とは無縁であり、彼の存在そのものがミケ軍の勝利を確約するという、武人としての絶対的な自信に満ちていた。


「将軍、俺たちがいるから大丈夫ですよ」


 この俺たちという一言には、ジギフリットの持つ誇りと、ミケ軍の強さの根源が凝縮されていた。


 俺たちとは、まずジギフリット自身の破壊的な武力と、彼に率いられた精鋭の突撃部隊を指す。


 彼らはタズドット軍の士気の低さを知っており、目の前の敵が、自分たちの力に敵わないことを確信していた。


 だが、それには知略への信頼があった、俺たちはレイ将軍の非凡な知略への絶対的な信頼をしている、ジギフリット副将軍はそうも言いたかった。


「レイ将軍だっている、勝つのは間違いない、そうじゃないんですか」

「私ですか、私なんてまだまだですよ」

「そんなことないですよ、レイ将軍の知力は抜群です」

「嬉しいことを言ってくれますね…その言葉信じていいんですね?」

「当たり前ですよ、レイ将軍」


 そして、二人は笑い合うのだった。


 彼らの武力が、レイ将軍の緻密な作戦という盤石な土台の上に成り立っていることを、ジギフリットは直感的に理解していた。


(そうだ、 俺はグルナルのように無様な逃亡はしない、レイ将軍が知略の限りを尽くし策を講じ、俺が勇気を持って剣を振るう、そして、リムリアのために戦うことを忘れない、この黄金の連携と信念がある限り、いかなる敵であろうとミケ軍の勝利は揺るがない!将軍の問いかけは、俺たちの強さを再認識させるための儀式に過ぎない!)


 ジギフリットの言葉は、単なる戦況分析ではない。


 レイ将軍という偉大な指揮官への、感情的な忠誠心の表明でもあった。


 彼は、将軍の傍に立つこと、将軍の剣として機能することに、何物にも代えがたい誇りを感じていた。


 彼の熱い返答は、レイ将軍の警戒心を一気に融解させ、ミケ軍全体の士気を瞬時に引き上げる役割を果たした。


 彼の存在は、レイ将軍の冷たい知略にとって、不可欠な熱量であり、軍全体を鼓舞する炎だったのである。

はい、というわけで! 百十八話のラスト、二人の笑い声で締めくくられました。


ジギフリット君、本当に良いキャラしてますね!


レイ将軍の『いじわるな質問』を、真正面から『熱量』でねじ伏せて、逆に将軍の警戒心を溶かしてしまう。


二人の間に流れる空気は、もはや戦友を超えた『共犯者』に近いのかもしれません。


さて、次回はそんな『熱い信頼』に、レナード君が『冷たい現実』というトッピングを加えます。


『敵は今まで逃げる準備ばかりでしたよね』という、これ以上ない勝利の確約。


ミケ軍の進撃は、ますます『収穫祭』の様相を呈してきますよ! お楽しみに!

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