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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第三部 ミケ将軍タズドット侵略編

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第百一話 名誉焼失

――その炎は、あまりにも明るく、そしてあまりにも冷徹でした。

 「剣の間合い」という言葉があります。

 互いの息遣いが聞こえ、鉄と鉄が火花を散らす、武人たちが夢見る死に場所。

 

 けれど、彼らが踏み込んだのは、そんなロマンチックな場所ではありません。

 そこは、「射程」と呼ばれる、一方的な処刑場。

 

 勇気ある突撃? いいえ、それはただの「マト」です。

 名誉ある死? いいえ、それは単なる「焼却処分」です。

 

 レイ将軍が振るうのは、感情のない指揮棒。

 彼が焼き尽くすのは、敵の肉体だけでなく、彼らが縋り付いていた「武人の誇り」そのもの。

 

 さあ、目を背けないでください。

 時代遅れの精神論が、最新鋭の暴力の前に、いかに脆く、いかに無意味に炭化していくのかを。

 グルナル副将軍の絶望的な防御命令と、ミケ軍の圧倒的な進撃。


 そして、両者は激突した。


 この激突は、単なる兵士同士の衝突ではなく、タズドットの旧来の武人哲学と、レイ将軍の徹底した冷徹な合理性の衝突を意味していた。


 タズドット側は、グルナル副将軍の命令(周辺防御)に反して、武人としての本能と焦りから、接近して剣で攻撃するという戦い方を選び、不完全に構築された防御陣から決死の突撃を敢行した。


 彼らにとって、「動かず死ぬ」よりも、「剣を振るって死ぬ」ことの方が、武人としての名誉を保つ唯一の道だったからだ。


 彼らは、レイ将軍の魔法が有効になる距離を一気に詰め、白兵戦に持ち込もうとした。


 しかし、レイ将軍は、このタズドットの非合理的な名誉心を完全に読み切っていた。


 レイ将軍側は、それを避けて魔法で遠距離から攻撃をするのだった。


 レイ将軍は、ジギフリット副将軍の部隊を巧みに展開させ、タズドット軍の突撃部隊との直接的な接触をギリギリで回避させた。


 そして、後方に控える銃弓部隊に対し、一斉攻撃の許可を下した。


 レイ将軍の戦略は、「最小限の犠牲で、最大限の殲滅効果を得る」という、最も効率的な暴力の行使だった。


 レイ将軍は、最前線に立つ部隊の指揮官たちに、特製の『塵忍儀式杖』を掲げ、冷酷な宣告を行った。


「いきますよ、タズドットの愚かな武人たち。灼熱の魔法の前に焼かれなさい。」


 その言葉は、まるで死の宣告のように戦場に響き渡った。


 レイ将軍自身も、杖から高熱の炎を放ち、部隊全体を統率した。


 レイ将軍は次々に灼熱の炎を出すのだった。


 彼の号令により、ミケ軍の部隊から、数十、数百の銃弾、弓矢、そして炎の奔流が、雨霰と、タズドットの突撃部隊めがけて叩きつけられた。


  炎の奔流は空気が歪むほどの高熱を帯び、タズドット兵の薄い鎧を容易く貫通し、鋼鉄の盾すらも瞬時に赤熱させた。


 遠距離の優位もあった、タズドット兵が剣を振り上げる間もなく、炎は彼らの隊列の奥深くまで到達し、二次的な爆発を引き起こした。


 そして、敵は次々に焼かれていった。


 タズドット軍の兵士たちは、自らの肉体がレイ将軍の冷酷な知略とリムリアの高度な魔術技術によって、無力な炎の餌食となる様を、絶望的な悲鳴とともに体験した。


 タズドット軍の兵士は崩壊し、隊列は崩れた、白兵戦に持ち込もうとしたタズドットの突撃は、一瞬にして崩壊。


 隊列を組んでいた兵士たちは、連鎖的な火傷とパニックによって、戦闘どころではない状態に陥った。


 絶望の叫びが響き渡る、炎に包まれた兵士たちの断末魔の叫びが、戦場を支配した。


 その声は、「名誉」でも「忠誠」でもなく、単純な生命の恐怖を訴えるものだった。


 レイ将軍の視線は、その一方的な光景を、一切の感情を交えずに見つめていた。


 彼の目的は、感情的な勝利ではなく、タズドットの戦力を完全に無力化するという、冷徹な戦術目標の達成だった。


 この「灼熱の洗礼」により、グルナル副将軍が温存しようとした戦力は、無駄な突撃と魔術の猛攻によって、一瞬にしてその大半を失うこととなった。


 グルナルの「防御」という命令も、タズドット兵の「名誉」という非合理な行動と、レイ将軍の「合理的な遠距離魔術」という非情な戦術の前に、完全に無効化されたのである。

はい、というわけで!


皆さん、今回のレイ将軍……「容赦」という言葉を辞書から削除してますね!


タズドット兵たちの「せめて剣を交えて死にたい」という武人の最後の願い。それを「非合理的だ」の一言で切り捨て、遠距離から一方的に焼き払う。


これ、RPGでレベル差があるのにエンカウントしちゃって、コマンド入力する前に全体魔法でワンパンされる絶望感ですよ!


今回のポイントは、「美しい精神論」VS「冷徹な暴力」です。


• タズドット兵:「動かず死ぬより、戦って散るのが華!」(熱い!)

• レイ将軍:「射程に入ったので燃やしますね」(冷たい!)


結果はご覧の通り。


熱い想いがあっても、体が燃えてしまえば炭になるだけ。


グルナル君が必死に「待て」と言ったのに、彼らの「プライド」が彼ら自身を殺してしまった。


指揮官の言葉よりも、自分の名誉欲を優先した結果がこの「バーベキュー」です。なんとも皮肉で、救いようがないですね!


さて、目の前で部下たちが「薪」のように焼べられていく光景を見たグルナル君。


彼の心はもう、ポッキリと、粉々に折れる音が聞こえてきそうです。


「誇りを捨てる」と誓った彼が、この地獄の果てにたどり着く「究極の言い訳」とは何なのか。


それでは、次話。


「逃走の論理、あるいは恥の上塗り」でお会いしましょう!

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