表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~  作者: 次佐 駆人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

451/473

42章 訳あり女子強化策 08

 校長を連れての週末異世界訪問。


 一日目の夜は『ウロボロス』内で一泊である。


 夕食は食堂に皆で集まって食べることになるが、テーブルには銀髪美少女アンドロイド料理人が作ってくれた豪華な料理が並んでいた。


 そう、ダンジョン食材が豊富に取れるようになり、しかも料理法などもアンドロイドたちは絶えず研究をしているため、その料理は超一流レストランのそれに近い。といっても俺自身が超一流レストランの料理を知らないのであくまで推定であるが。


 ともかく目の前に並ぶ多国籍の豪華料理に、俺も驚いたが皆も驚いていた。


「相羽先生は毎日このような食事をなさっているのですか?」


 と明智校長が聞いてくるが、もちろんそんなはずはない。俺は全力で首を横に振った。


「いやまさか。たぶん『ウロボロス』が気を利かせたんじゃないでしょうかね。ちなみにこの食材のうち、肉とか魚介は全部ダンジョン産です」


「ええっ!? これ、普通のお肉とかお魚に見えますが……」


「ダンジョンでそのまま肉とか魚が取れるんですよ。あ、安全性の方は大丈夫ですよ。むしろ普通の肉とか魚より安全です。魚なんて寄生虫とかゼロですからね」


「そうなのですか……?」


 頭から「?」マークが浮かんでいた校長だが、料理を食べるとその美味しさに感動をしまくっていた。


 なにしろお嬢様の九神までが、「前にいただいた時よりも料理の腕が上がっておりますわね。味だけなら三ツ星のものに匹敵するのではないかしら」などと言くらいであるのだから本物なのだろう。もっとも高校生で三ツ星レストランの味がわかる方が怖いけど。


 それはともかく俺も他の皆も絶賛しきりだったので、厨房のアンドロイド少女も心なしか嬉しそうな顔をしている。


 デザートなんて超豪華パフェが出てきて、これ食えるのかと心配になるくらいだったが、


「甘いものは別腹ですから」


 と新良がお約束のセリフを口にするくらいに全員完食していた。


 過剰なカロリー摂取は心配だが、魔法の行使はカロリー消費量が大きいはずなので……いや、今日は魔力はあまり使ってない気がするな。


 と俺が要らぬ心配をしていると、パフェに乗ったダンジョン産フルーツを食べていた校長が、手を止めて俺の方を見てきた。


「相羽先生、ダンジョンというのは私が思ったよりも幅が広いもののように思えるのですが、確か地球上にはなかった金属なども取れるのですよね?」


「ミスリルとかオリハルコンとかですね。もちろん金や銀も取れますし、宝石も取れます。ワニ革とかも取れますし、毛皮や絹みたいな素材を出すモンスターもいます」


「それは数が増えれば産業や経済にも大きな影響を与えるのではありませんか?」


「どうでしょうね。自分が召喚された世界ならともかく、大量生産大量消費の現代地球では大きな影響はないと思います。そもそもダンジョンでモンスターを倒すのも簡単ではありませんし」


「そういえば相羽先生は当たり前のようにしていますが、ダンジョンではモンスターを倒さなければならないのですよね。ここにいる皆さんは理解していらっしゃると思いますが、私にはそれがどれほど大変なことか理解できていないので……」


「明日ダンジョンに入りますからご一緒にどうですか? 現状最高ランクのダンジョンになりますが」


「いいのですか!?」


 また子どものように目を輝かせる明智校長。


 ちなみに青奥寺たちには、事前に2日目に『魔王城ダンジョン』に入ることは伝えてある。


 近いうちに『魔王』と戦うことになる予感があるので、厳しい戦いも経験させておこうという魂胆であるが、青奥寺たちは皆目をギラギラとさせていた。まったく現代社会には珍しい娘たちである。





 さて、翌日は予定通りダンジョン攻略である。


 攻略というよりは俺としては調査に近い。


 前回一度攻略しているが、それと変化がないかどうかのチェックである。先にも言ったが、あのダンジョンだけはなにかあるとこの世界に致命的とは言わないまでも大きな災害をもたらす可能性がある。『魔王』が関わっているどころか、その『魔王城』をモデルとしたダンジョンとなれば俺もナーバスにならざるを得ないので、精神の安定を得るための調査でもある。


『魔王城ダンジョン』の上空までは『ウロボロス』で行く。『統合指揮所』のモニターには、一面薄い紫のもやに覆われた大きなクレーターと、その中心にそびえる奇怪な姿の黒い城が映し出されている。


 大地を覆う紫のもやはいわゆる瘴気だが、『魔王城ダンジョン』の周辺から王都方面に向けて、瘴気が消えて道のようになっている部分がある。俺が預けた魔導具『瘴気除去装置』によって瘴気を取り除いた場所だろう。


『魔王城ダンジョン』の正面からやや離れたところに戦車や装甲車が数台停まっていて、仮小屋のようなものも建っている。女王陛下が言っていた軍のダンジョン監視部隊だ。お疲れ様なことである。


 俺たちはそのダンジョン監視部隊の駐屯地と、『魔王ダンジョン』の間に転移した。


 メンバーは異世界に来たフルメンバーである。


 青奥寺、双党、新良、レア、カーミラ、リーララ、清音ちゃん、雨乃嬢、ルカラス、九神、宇佐さん、三留間さん、絢斗、そして明智校長と非戦闘員を守るアンドロイド兵10人の大所帯だ。


 もちろんそんな人間がいきなり出現したら、監視部隊の兵士もビックリである。


 すぐに20人ほどの兵隊が魔導銃を構えながら近づいてきた。


「お前たちは何者だ!?」


「相羽と言えばわかると女王陛下から聞いていますが」


 と答えると、兵士たちは魔導銃を下ろして一斉にビシッと敬礼をしてきた。


「失礼しました! 『影の英雄』アイバ様のお話はうかがっております。どうぞお通りください!」


  なんか妙なあだ名が聞こえた気がするが、まさか女王陛下、俺のこと色々話したりしてたりしないだろうか。


 まああの内戦の時に、Aランクモンスター退治とか別に隠れてやってたわけじゃないから、バレてもおかしくはないんだけど……。


 後ろから「プ……ッ! 『影の英雄』とかダッサ……!」「リーララちゃん、そういうのバカにしちゃだめだよ」なんて聞こえてくる。


 双党がニヤニヤしてるのも気になるが、レアや三留間さんが目をキラキラさせてるのもそれはそれでこそばゆい。


 校長も、


「勇者ではなく英雄なのですね」


 とか感心したように言ってるし。


 いたたまれなくなった俺は、兵士たちに「じゃあ失礼しますね」と挨拶をして、皆を『魔法城』ダンジョンの方へとうながした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ