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勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~  作者: 次佐 駆人


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41章 → 42章

―― 惑星ドーントレス 総統府 執務室


「被災者の一時避難先の確保、破壊されたインフラの再整備、破壊された建築物の撤去、軍の再編、やることが多すぎるわ。救いなのは被害があったのが首都周辺だけだったことね」


「はいお嬢様……いえ、総統閣下」


「やめてリ・ザ、まだお嬢様でいいわよ。総統の地位はじきに叔父様にゆずるつもりだし。しかし叔父様はまだこちらにはいらっしゃらないのかしら」


「リブ・ロウ様は首都周辺の様子と、アビスホールなどについて現地に行って情報収集をしてくるとおっしゃっておりました。こちらに来るのは明後日の夜になるとのことです」


「そこは叔父様らしいけれど、しかし今いらっしゃらないのは困ってしまうわ。私では総統府の老獪な役人たちを御しきれないというのに」


「彼らは今は目の前の雑事に追われているだけですから大丈夫でしょう。銀河連邦の監察官も常に目を光らせておりますし」


「そうね。監察官なんてお父様だったら全力で追い返したでしょうけど、今の私たちに必要というのが皮肉なものね」


「メンタードレーダ議長自らの采配ですから、我々としてもある程度は従わざるを得ません。しかし逆にそれが今は助けになります。むしろお嬢様をお助けするための監察官だともこっそりとおっしゃっていました」


「そうね……。政治なんて魑魅魍魎の世界だと思っていたのだけれど、意外と善性で動いている人間がいるというのは私も驚いたわ。お父様など常に全身に針を突き出すようにして政治をなさっていたように見えたけれど」


「総統閣下のお立場ですと、どうしてもそうならざるをえないのでしょう」


「独裁者ゆえの苦しさね。とすると、この星も他の星のように別の政治体制に移行してもいいのかしら。叔父様はそのことでもお父様と対立していたのでしょう?」


「はい、そのように聞いております」


「はあ……やっぱり考えることが多すぎるわ。あのアイバという超人とともにいた地球人の女の子たちが羨ましい」


「彼女たちは私から見ても恐ろしいほどの力を持った兵士、いえ戦士たちでした」


「でも、彼女たちは非常に自由に見えたわ。少しお話をしてみたのだけど、とても楽しかった。思えば私は同じ年齢の人間とほとんど話をしたことがないのだけど、彼女たちの考えというか、感性には共感できるところが多くあった」


「お嬢様……」


「あ、それと彼女たちにあのアイバという超人の話を聞いたのだけれど、彼は勇者なのだそうよ」


「勇者……ですか?」


「ええ。こことは異なる世界で、その世界を支配しようとしていた悪魔の王と戦っていたらしいわ。しかもあのゼンリノ師は、その悪魔の王の生まれ変わりである『導師』という存在の右腕なのだとか」


「本気で言っているとは思えませんが」


「すべて本当のことらしいのよ。彼女たちもその異世界に行っていて魔法が使えるそうよ。実際に見せてもらったけれど、あれは本当に魔法としか言いようがないものだった。それはリ・ザも見たでしょう?」


「ええ、確かに不思議な力は見ましたが……」


「ともかく、私たちがあの超人アイバに助けられたのは確か。しかも、あのアビスビーストから得られた膨大な量の魔石をすべて無償でこちらに引き渡してくれた。しかもその魔石は、すべて銀河連邦で買い取ると言われているわ。その金額は、首都の復興の助けとするに十分すぎる額なの」


「二重三重の意味で私たちはあのアイバ氏に助けられたということですか」


「ええ。しかもギム・レイ将軍の裏まで暴いてくれたし、彼に対して私たちはあまりに大きな借りをつくってしまった。それはいつか返さないと私の気持ちが収まらない。だからまずはこの星の新たな産業を軌道に乗せなければ。それがお父様の悲願でもあったのだし」


「はい。私も微力ながらお手伝いいたします」


「頼むわね、リ・ザ」

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