表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~  作者: 次佐 駆人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

365/513

37章 出張先、銀河連邦 04

「先生、さすがにあれはダメだと思います」


「すまん、パスが来てちょっと舞い上がってた」


 結局教員チームは負けたのだが、俺のアホなプレーのせいでその後ちょっとだけバスケットコートの周りが盛り上がってしまった。


 試合終了後も生徒に囲まれてもう一回やってくださいとかせがまれたのだが、なんとか適当にごまかしてなんとか体育館を逃げ出したところで、後ろからやってきた青奥寺に注意を受けたところである。


「でも垂直飛びが得意ってだけでなんとかなる……だろ?」


「予備動作なしで1メートルも垂直に跳べる人間はいません。体育の先生が世界記録狙えるって言ってましたよ」


「あ~そう……」


 本気出せば魔力とか使わなくても多分2メートル以上跳べるんだよなあ。もちろんそんなことを誇るつもりは一切ないが、今回は本当に最後気が緩んでしまった。


 と、その時、テニスコートの方から歓声が聞こえてきた。どうも試合が盛り上がっているらしい。


 2年1組のバレーボールチームと一緒に見に行くと、盛り上がりの中心は、4つ並ぶコートのうち一番端のコートで行われているシングルスの試合のようだ。


 金髪女子同士が戦っているのでまさかと思って近づくと、やはり九神対レアの一騎打ちが繰り広げられていた。


「世海は子どものころ、コーチをしていたプロの人に本気でプロを目指さないかって言われたそうです」


 青奥寺が俺の横でボソッと言う。


「そりゃまた恐ろしい話だが、あってもおかしくない気はしてしまうな」


「ああ見えて運動は得意なんですよ世海。ただ人前で本気を出すことはしたがらないんですけど」


「その辺りも家で禁止されてたりしてな」


 などと言いながら2人に試合を観戦するが、確かに2人とも無茶苦茶テニスが上手い。


 だいたい打球音が全然違うし、コートを行ったりきたりするボールのスピードも倍以上速く、ラリーもやたらと続く。見た感じ九神はコースを狙う技巧派、レアはスピードで押すパワー派という感じで、見ていてもかなり面白い。


 ちなみに審判はテニス部員がやっているのだが、時々驚いたような顔をしているので現役部員から見てもかなりの試合なのだとわかる。


 しかしレアはそのアメリカンな体型とプレイスタイルが嚙み合っていてカッコよく、縦ロールを翻しながらテニスをしている九神の姿も非常に絵になっている。すでに1年生を中心に黄色い声援が飛び交っているのがすごい。ファンクラブが出来そうな勢いである。


 試合はフルセットにもつれこんで、競り合いの末九神が勝った。2人には観客から拍手が贈られていた。なおテニスはダブルス2試合、シングルス1試合でのチーム戦だが、全部九神たち2年4組が勝ったようだ。さすがに優勝を狙っているだけのことはある。


「う~、セカイには勝ちたかったでぇす」


 とかなり悔しそうな表情でレアがやってきた。


「すごい試合だったな。球技大会のレベルを超えてたんじゃないか?」


「セカイは本当に強いでぇすね。ワタシもかなり自信はあったのでぇすが」


「体力ならハリソンさんの方が上だと思ってたけど、九神もかなりやるな」


「そうでぇすね。最後まで息が切れていませんでぇした。テニスをまた練習したくなってしまいまぁす」


「九神だって誘えば相手してくれるんじゃないか?」


「確かにそうかもしれませぇんね。むむむ~、アイバセンセイ、『ヴリトラ』にテニスコートは作れませぇんか?」


「さすがに無理だろ」


『ヴリトラ』の貨物室はかなり広いが、テニスコートを作れるほどでは……いや、多分作れるな。言えば『ヴリトラちゃん』は喜んで作りそうな気もする。


 まあそんなこんなもあったが、球技大会は大きなトラブルもなく無事終了した。


 俺が担任をする2年1組は、結局双党率いるサッカーが準優勝、新良が活躍していたバスケットボールはなんと優勝、他はまあそれなりということで、クラスとしては3位となっていた。


 2年4組は九神の参加していたテニスは優勝したが他が奮わずクラスとしては4位、残りの3種目は3年生が優勝し、クラスの優勝準優勝も3年のクラスが取っていた。熊上先生の話によるとほぼ例年通りの結果ということだ。


 なお教員チームは最高でもバレーの4位と、そこそこ黒子に徹していた感はあった。出場していた山城先生が陰で悔しがっていたのは秘密である。


 表彰式、閉会式も生徒会主導で行われ、それが終わると生徒は各自教室に引き上げていった。


 時間になって帰りのホームルームをやるために教室に行くと、クラスの女子が俺のところに来て、


「先生、ダンクシュートしたんですか!?」


「私たち見ていないので、見せてください」


「垂直飛びがすごいって聞きました。どれくらい跳べるんですか?」


 などと言ってくる。


 レアと双党までが、


「ワタシも見たいでぇす。これから体育館に行ってやってくださぁい」


「面白そうだからやりましょう。すぐやりましょう。先生のいいところを見せましょう!」


 と囃したててくるので、あと少しで収拾がつかなくなるところだった。


 とりあえず後で見せるということで落ち着かせ、なんとか帰りのホームルームを始めたのだが、青奥寺と新良が呆れた目をしていたのは言うまでもない。


 なおそういった騒ぎがあったが、新良率いるバスケットチームが優勝ということでしっかりとジュースはおごらされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ウロボロスに各種スポーツ施設を作ったら、動きの最適化を図るとか言う建前の元、ウロボちゃんずによる超人プレイが… ヴリトラも作っちゃって、宇宙船対抗戦が
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ