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32章 → 33章

―― アメリカ合衆国 西海岸某所 

  『クリムゾントワイライト』アメリカ支部 支部長室



「それで、薬を流していたおバカさんたちは処分できたのかしら?」


「はい。暴走した者たちはこれで全員片がつきました。流れていた薬の回収は継続しています。ただあの事件をきっかけにして、国の方がかなり本気で動き始めているようです」


「それはそうよねえ。あの組織は国のお偉いさんも何人か関係があったみたいだし。いきなり家が爆発してボスが死にましたなんて、放っておくわけないわよね」


「『アウトフォックス』の動きも目立ち始めました。近々大規模な攻撃があるものと予測されます」


(しょう)懲りもなくまた兵隊を寄越すつもりかしら。私が簡単に倒せる人間じゃないと、一度しっかり教えてあげたはずなのだけれど」


「それが……『アウトフォックス』は最近、日本に何人か人間を送っているようです」


「あら、もしかして例の男を引っ張り出すつもりとか? だとするとマズいわね。『導師』様とバルロ、ヴィランティが姿を消してしまった今、相手にできる人間ではなさそうだし」


「スキュア様、『導師』様はやはり……」


「『シャドウ』にも探らせたけれど、やはりこちらの世界の、どこか遠くへと行ってしまわれたみたいね」


「我々は見捨てられたと見るべきでしょうか?」


「暴走したおバカさんはそう考えていたのでしょうね。でも『導師』様が力を取り戻されればきっと戻ってこられるはずよ。私たちが今しなければならないのは、そのために一度地下に潜って息をひそめること、だったはずなのだけれど」


「では、元の世界に戻るしかないのではありませんか?」


「残念ながら、あちらの世界に私たちの居場所はなくなってしまったわ。侯爵も処刑されるみたいだし。それに今、『次元環』発生装置が不調なのよ。今使うと事故が起きる可能性があるわ」


「なんと……」


「だからあの子の力が必要なのだけれど……。まさか暴走した連中に連れ出されるとは思ってもみなかったわ。行方はわからないのよね」


「はい。連中のところにはおりませんでした」


「生きていればいいのだけれど。まあこちらは最悪の事態を想定して準備をしましょう。と言っても、できることは限られているけれど」

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