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夢の中のあと。

 夢を見る。


 雨が降りしきる中、誰かが自分の名を呼んでいる夢を。

 視界はいつも朧げで。

 ひんやりとした冷たい雨が、自分の体温を奪っていくのだ。徐々に、徐々に、ゆっくりと、確実に。


「しっかりしろよ、なぁ! ――!」


 揺れる黒髪を見て、この状況でしっかりしろとはなんとも無理があるんじゃないかと、皮肉のひとつでも言いたくなる。自分の身体は、上と下で分かれてしまっているのに。


「うわあああん! にいさま! にいさま!」


 そう泣き叫ぶ少女を見て、少しだけ後悔をした。泣かないでほしい。泣かせたくなかったのに。この少女には、笑顔でいてほしいのに。


「――」


 自分はそこで何か言うのだ。いや、言ったはずなのだが、この雨と泣き声の中では、恐らく誰の耳にも届いてはいない。

 そうして目を開けているのも辛くなった頃。


 決まって自分は、汗だくで夢から覚めるのだ。

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